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ALWAYS
《永遠に、いつまでも、ずっと》
辞書に書かれた言葉
永遠は
いつまでを指すのだろうか
「死が二人を分かつまで」
そんなタイトルの推理小説を
ふと思い出す
死したらば
永遠はそこでおしまいだろうか?
死んでしまったらもう
永遠という言葉を使っての約束は
反故になってしまうのだろうか
「あなたは永遠に生きられます!」
駅前で布教する新興宗教のおばさんが
ただでくれたパンフに
でっかい文字で書いてあった
限りのない生を受けたら
その時であっても君は
永遠という言葉を使って
僕を愛するのだろうか
「永遠に君を愛するよ」
美しいようで美しくもない言葉
僕の気を遠くするような約束よりも
君はただ
僕を愛すればいい
君は《いつも》という時間を
君の思う《永遠》のようにして
君が死ぬまで付き合う人生のように
僕を愛してくれればいい
たとえば愛が明日で終わったとしても
君の人生と
僕という個が
一瞬でも溶け合えたことを
永遠よりも長く重いものとして
僕は愛を思い出すだろう
++++++++++++++++++++++
カップルの片割れが、愛だの恋だのを若者らしいけど不安症みたいな感じで考えてます、という内容。
そうして読み終えて思ったのは、これってノンケの恋愛でも特に違和感のない話になってしまってるよね、というあたり。
書き手の私自身も若かったし、永遠とかいつまでもとか、そんなものはあっても同じテンションを保てるわけがないのが現実だし、だからこそJUNEとかやおいの世界というものは、少なくとも私の若かったころには、大きな世界がだんだんと狭くなって最後には二人で閉じていくような世界であったというのは、永遠なんてものはどこにもないからだと、こんなものを書いたのだと思います。
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