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知ってる? 僕たちは天国には招かれざる客だ ほんのさっきまで 一緒に天国に昇っていた君が 僕の肩甲骨に指を滑らせながら言う 僕たちはきっと地獄行きだと 君が言うので 今度は僕が君の 天使の羽根が退化した骨へ 指を滑らせる 君の神様が僕らを招待しないからって 嘆く必要なんかない 死んでからもまだ君は 天国で生きていきたいの? 楽しいことばかりじゃ生きていけないのは 楽しいことばかりじゃつまらないからだよ 不確かな 行けるかもしれない天国よりも この罪の温床こそが 天国で構わない 神様の天国へ 君と行けたとしても 君と愛し合えないのならば 逝く値打ちもない場所なのだから 声を立てて笑いベッドから転げた君の 薄く上気した頬が 朝の光を受けて ほのかな桃色をしていた ++++++++++++++++++++++ 先の、二十代前半に書いた4編よりもさらに数年後、地方から友人が上京してくるというので、話のネタにポエムでも書いてみようかと作ったうちの一つです。これを含めて3編。 当時の私のことをあまり覚えていないものの、多分、そこそこ楽しく生きてたんだと思います。先の4編を書いた数年前は永遠なんか信じないスタンスだったのに、これはそうでもない風味。 余談ですが、天国に行くよりも幽霊になって透明人間的になって色んなところを見て歩きたいなと思ってます。どうせならば催眠術もスキルとして身に着けたら最強かも。 とはいえ、めでたく幽霊になってナマモノの推しのところへ行ってみたとしても、死後、頭では分かっていたけれどもどうしたって彼らは生々しくヘテロなのねって様を見てショックを受けるとかって、ドMかよ! 心理テストではいつも安定のドSだけれども、でも透明人間になったら相当近くで推しを見られるけど全然バレないし、と乙女のような変態のようなことを思ってみたり。

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