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第6話

鷲尾は裸になったアンナの体をジッと見入っている。 「ほら、鷲尾さんも」 「あ、ああ……」  鷲尾もノロノロと羽織っていたシャツを脱いだ。自分と違った浅黒い褐色の肌、綺麗に六つに割れた腹筋は見事だった。そしてその逞しい体躯に相応しい見事な鷲の彫り物が目に入る。 「凄い筋肉だね。何かやってるの?」 「昔ボクシングを齧ってた。今は自分で適当に鍛えてる程度だな」 「刺青見てもいい?」 「ああ、嫌じゃないか?」  そう言って背中を向けた。  そこには背中一面に鷲が大きな翼を広げていた。ちょうど肩甲骨に両翼が描かれており、その迫力にアンナは息を飲んだ。 「全然、かっこいい」  アンナはその鷲を指でそっと撫でると、鷲尾の体がピクリと反応した。 (本当にヤクザなんだ)  背中の立派な彫り物を目の当たりし、本当に極道なのだと実感する。 「アンナ……頼みがある」 「何?」  鷲尾はまた、言いにくそうにし言葉を選んでいるようだった。 「胸を……吸わせてくれないか?」 「胸? って乳首?」  コクリと頷いた鷲尾の顔は赤かった。 「いいよ。ぺったんこだけど。はい、どーぞ」  アンナはそう言って、躊躇う事なく乳首を鷲尾の鼻先に押し付けた。鷲尾の喉仏が大きく動き、生唾を呑んだのだと分かる。そっと鷲尾の唇が近付き、アンナの乳首を口に含んだ。それから、鷲尾はタガが外れたように夢中になってアンナの乳首を吸い始めた。 「ずっと、吸ってみたかった?」  鷲尾は目を閉じたまま、コクリと頷いた。  アンナはあまり乳首を感じる事はなかったが、その行為に母性本能が芽生えたような気がしてくる。  舌で乳首を転がすのではなく、本当にチュパチュパと赤ん坊が母親の母乳を飲むように吸うのだ。 「あはっ、そんなに吸われるとそのうち母乳出そう」  アンナの声は耳に入っていないのか、鷲尾は夢中で乳首を吸っている。 (可愛い……)  幸せそうに乳首を吸う姿に愛おしさが込み上げてくる。 (母親に虐待されてたって言うけど、本当はこうやって甘えたかったのかも)  母親が子供にするように、アンナは鷲尾の髪をそっと何度も撫でた。  どれくらいの時間が経ったのか、そろそろ乳首がヒリヒリと痛み出した。その時、携帯のアラームが鳴った。残り十五分を知らせるアラームだ。 「あと、十五分だけど、最後はこれどうにかする?」  途中で気付いたのだが、鷲尾は勃起していた。 「あ……俺……」  自分で勃起しているの事に気付いていなかったようで、鷲尾は呆然としている。 「口でしてあげるよ」  返事を聞く前にアンナは鷲尾のズボンのベルトを外し、ファスナーを下ろした。黒いボクサーパンツ越しでも分かるくらい、鷲尾のソレは通常より大きい事が分かる。 「鷲尾さんのおっきいね」 「そ、うか……?」 「口は男も女も一緒だから、目瞑って好みの女の人でも想像しといて」  パクッとアンナは鷲尾のモノを口に含むと、鷲尾の体がびくりと大きく揺れた。アンナの口は、女がするよりも奥まで咥え込むことができる為、恐らく女にされるよりも気持ちいいはずだ。  鷲尾は抵抗する事なく、快感に身を委ねている。  ふと、鷲尾の顔を上目遣いで見ると、鷲尾と目が合った。鷲尾は目を閉じる事なくジッとアンナを見入っていたようだ。男の自分がするのを見ていても、鷲尾は萎える事がない。それがアンナには無性に嬉しく思った。長年デリヘルをし、数えきれない程男のモノを口で奉仕してきたが、こんな気持ちになったのは初めてだった。 「もう、出る……アンナ……口離せ……」 「ひーよ、だひて……」  アンナは行為をやめる事なく言うと、鷲尾の体がブルリと震え、アンナの口内に鷲尾の精液が吐き出された。それをゴクリと飲み込むと、 「ご馳走さま」  そう言ってアンナは赤い舌を出し、鷲尾に見えるようにペロリと唇を舐めた。

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