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第6話

「ッぁああ!ーーッ!ーッン!!」  「ヒカルッ…はぁっ…っ、ヒカルっ、ヒカル」  愛希が怖がって飲むのを拒否した薬を飲んで、何度絶頂しても止まらない快感に脳を焼き尽くされそうになる。  愛希を庇うため、試したくて仕方のない透を満足させるため、飲み込んだそれは想像を超えるものだった。  なぜか透は、愛希やヒカルにだけ様々なものを試したがった。その度に、愛希が先に、できなければヒカルへと回ってきた。  (愛希、飲まくて正解だよ。これは、頭おかしくなるっ)  「ッぁあああ!いやっぁあああ!」  一瞬意識が飛んで、目を覚ますと、透は夢中で硬さのないヒカルのものを激しく舐め回して、緩んだ穴に指を激しく出し入れしていた。  (……へんたい……)  愛おしそうにしゃぶり倒すのをぼんやりと見つめて、そう思った。透も理性がとんでいるのか、いつもの支配っぽい愛撫でもなく、キザな笑みで言葉を優しくかけるわけでもなく、必死に奉仕するように、そして、そんな自分に酔ってるようにもみえた。  (…あ、なんか、ゾクゾクする…っ)  舌舐めずりして、熱を持ち始める。  透の頭をガッと強く掴んで喉の奥を狙い、激しく腰を振った。  「透さん?本当は、こうされたい?」  「…んっ、んぅっ、んっ!」  「ははっ、しゃぶりながら、扱いてんの?変態」  「んっんっん」  「そんなメス顔…みんながみたらどうなるかなぁ?」  「ヤられたいなら…抱いてもいいけど?」  眉を下げて見つめてくる透にゾクゾクが止まらなかった。支配したいくせに、支配されたいなんて笑えると、バカにしたいのに、いい知れない興奮で息が荒くなる。 足下にかかった精液に満足して、初めて見る透の顔に興奮して、髪の毛を引っ張り、熱から離す。  「ヒカルっ、ヒカルっ」  「ん〜?」  「入れさせて、ください」  「あぁ…一応ソッチなんだ?」  「ヒカルっ」  必死な姿や顔は初めて見て、やっぱりゾクゾクとたまらない気持ちになる。自分の性癖の片鱗を見た気がしてハマりそうだ。大胆になるのが抑えられない。  「いやだ。透さんには、あげない」  「ヒカルっ」  自分の指を舐めて、白濁が垂れるそこに入れ、ゆっくりとかき回す。  (うっ!まだ…薬効いてるの?)  「あぁっ!!んぅ、んっ、ん、ぁあああ!っあああ!」  またあの熱に支配され、口を閉じることもできないまま飲み込まれていく。目の前の透の存在さえ忘れて必死に快感を追いかけていると、勢いよく指が抜かれて、熱が体を貫いた。  「ッァアァアーーーーッ!!!」  「はぁっ、ヒカルっ、ヒカルっ!!」  「ッァアァア!!ァアァアーー!」  いつ終わったのか分からないが、目を覚ますと愛おしそうに見つめる透にドキッとする。  「ーーとおる、さん」  「ヒカル、お前が好きだよ」  「へ?」  「ヒカルが好きだ」  ゆっくりキスされると、涙が流れた。嬉しくて嬉しくて、必死に舌を絡めた。  その日からはヒカルしか選ばれず、ほかの「みんな」は不審に思っている様子だった。  「ヒカル、あ、今日…」  「ごめん愛希、透さんと約束してるから。」  珍しく苦笑いする愛希に首を傾げる。後ろから透に抱きしめられて、首筋にキスをされ、力が抜けそうになった。  「愛希、ヒカルに何の用?」  「何でもない」  「そう、ヒカル行こうか」  肩を抱きながらトイレに連れ込んだ透は、ヒカルのパンツを下ろすと、反応していないものをまた激しく舐め始めて、ヒカルは必死に声を殺した。  「っ、っん、っ、透、さん、っ」  「ぢゅるっ、ぢゅるっ」  ガクガクと足が震えて、ガシッと透の頭を掴んで腰を振る。 (透さんの、好きなやつ…)  「ッァア!!」  声が我慢出来ないほど気持ち良くて、力が抜けた。その足を抱えられ、透は口から白濁を出して下半身に塗りたくった。 「こ、ここで…っ?」  「もう我慢できない」  「でもっ、…ここは、事務所の…っ」  誰が来るのかも分からない不安で、必死に抵抗するのを、透は焦らされていると喜び、逆効果だった。  (声は絶対出しちゃいけない)  ググッ  (絶対、出さない!!)  熱がゆっくり入ってきて、透の背中を噛む。すると興奮した透は狭い個室の中で、ベッドのように腰を振り始め、変な体制だからか、ヒカルのイイ所ばかりが擦られる。勝手に腰が反り、逃げようとするが更に強く押し込まれ、ヒカルは快感に堕ちた。  「ぁあああ!!んぅ、!っぁあああ!っああ!やだぁ!イくイく!!ッ出ちゃう!」  「はぁ!はぁ!最高だな!本当に!」  「ーーッ!ダメダメ!ッァアァア!!!」  ドンドン!!  「透!!ヒカル!今すぐ出てこい!!」  「「っ!!?」」  一瞬にして冷め、冷や汗が止まらない。どうしよう、どうしようと焦るが、透はヒカルから抜いた後、身支度を整え、自分だけが出た。  (へ…?)  「透、ここで何してる。」  「ヒカルがどうしても抜いて欲しいって言うので手伝ってました。」  (はっ!!?)  「お前がメンバーを始め、練習生に手を出していると聞いている。この状況を見ると、本当だったんだな。」  「社長?まさか。みんな男ですよ?正直言って興味ありません。メンバーも女性スキャンダルよりは、俺に抜いてって言ってくるんですよー。困ったものです」  ヒカルは個室で目を見開いて、唖然とその話を聞いた。  「ヒカル、出てきなさい」  「……」  「ヒカルは出てこれませんよ。さっきまであんあん気持ち良さそうに善がってたんですから。あ、そうだ、社長が抜いてあげて下さい?では、失礼します。」  透が逃げる音を聞いて固まったまま、ドアが開けられ、社長と目が合う。  「ヒカル、本当のことを教えてくれ」  「……。僕は…っ」  何で泣いているのか分からない。恥ずかしい所を社長に見られたからか、透の言葉なのか。  「僕、勘違い、してて、僕、恥ずかしくて」  社長の前で下半身丸出しで足を開いて泣くのがバカみたいなのに、身体は動かなかった。  「ヒカル、透が好きなのか?」  「っ、うん、好きだから、と、思ってました、ごめんなさい、社長、ごめん、なさい」  社長は優しく笑って、身支度を手伝ってくれた。自宅まで送ってくれて、また明日な、と何度も言ってくれた。それでもずっと、涙は止まらなかった。

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