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第10話
透がセナに固執してるのが伝わって、やってられないと思った。あれから選ばれることなくすぎる日々。
愛希のように彼氏か彼女が欲しくても、どうやって作っていいかも分からない。
愛希は彼氏のために尽くしては、ひどくされたり、甘やかされたりと、振り回され、そしてヒカルはそんな愛希に振り回されていた。
『ヒカル、会いたい』
そう言われればすぐに会うことを了承した。
会う時はヒカルの家がほとんどで、お互いをさらけ出す場所になっていた。
今夜は1時に来た愛希。
イく前に彼女から連絡があった為追い出されたそうだ。
「ヒカルの家に向かってたらね、きもいおじさんに誘われたの。見て、4万もくれたよ!」
「え?ヤったの?」
「ううん?触ってっていわれたから触ってあげただけ。その後コンビニでめっちゃ手を洗ってきたから大丈夫!」
「もう…気をつけてよ?学生時代も何度も危ない目に遭ってるんだから」
「えへへ!愛希可愛いから仕方ないよね」
愛希は嬉しそうに言うと、立ち上がってヒカルの前で脱ぎ、熱をヒカルの頬に擦り付けた。
「でも、あのおじさんにも興奮しそうだった。」
「もう…」
「いけない愛希にお仕置きして?」
見上げると愛希は欲情していた。
熱を激しくしゃぶると前屈みになって震え出した。
「あ…っ、う、そ、激し…っ、あっ、あっ!」
気持ち良さそうな声を出して、笑っている。
「ヒカルの、お、くち、気持ちっ…はぁっん、んっ、あっ、っ、」
嬉しい事を言ってくれて奥まで迎えると、髪をギュッと握られ、声音が変わる。
「ッぁあああ!!」
ドクドクと流れ込む青臭さを飲み干して、柔らかい内腿にキスをする。
愛希はフラフラと電気を消した後、カーテンを開けた。
「愛希?」
「夜景みながらシたい」
「…いいよ。腰痛くないかな?」
「立ちバックして。みられたい」
窓に手をついて、腰を振って誘う愛希がたまらなくて、ローションを手にかけ、ゆっくりと秘部に伸ばす。愛希の耳を噛みながら二本差し込むとゆるゆるのソコに少し苛立った。乱暴に引き抜いて、服を脱ぎ、大きな窓ガラスに映る2人に興奮した。
「愛希、いくよ」
「ん…っぁああ!!っぁああ!きもち!!」
ギュッと締め付けられ、大きく息を吐いて更に腰を進める。
「あっあ!ヒカルっ!ヒカルっ!」
「くっ…はぁ、愛希、愛希…っ」
「ヒカルッ、ッァアア!!あっあ!」
ずっと名前を呼んでくれて、窓ガラスには気持ち良さそうな顔が映り、必死に腰を振る。
(愛希がほしい、なんて、言えたらいいのに)
身体をぶつけて、届きますように、と願った。
透がどんどん元気がなくなり、心配しながらも誘われるのを待つ日々。愛希と楽しく過ごしていても透は前のように嫉妬をしてくれなくて寂しくなった。
愛希とヒカルを別れさせた透がブレていくことが不安で仕方なかった。
大丈夫、前のように戻れると信じて、言い聞かせて自分を保った。
しかし、ある日から透の目が変わった。
みんなに謝罪した日から、誰も見なくなったのが分かった。
透の目が追うのはただ1人。
(長谷川さん…)
綺麗な顔で、頭も切れる。
今までの誰よりもスゴイ人に惚れた透に、愛希が異常なほど反応した。
「なんで長谷川さんなの!?愛希たちがいるのに!愛希たちを捨ててでも長谷川さんがいいってこと!?」
「愛希、そうだとしても長谷川さんが受け入れるかはわからない。同じグループにいるだけでも幸せでしょ?」
「そんなの綺麗ごとだよ!愛希は透さん優先なのに!…全部全部セナさんのせいだ!なのに、セナさんは翔に乗り換えてさ!なんなの!?許せない!1人だけ幸せだなんて」
「愛希も彼氏いるでしょ?幸せじゃん」
「ヒカルには分かんないでしょ!?愛希のことなんか!!彼氏いたらみんな幸せじゃないんだよ!!」
ヒステリックになって、必死で透にアプローチしていたが見てもらえることはなかった。
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