24 / 26

第24話

ダンスボーカルグループ78の新曲が、第1週目で過去最高記録を叩き出し、事務所は大いに盛り上がり、次の発売予定の新生Altairにも注目度が上がる。  『翔とその他になるのでは』  『透のいないAltairなんて意味ない』  『愛希とヒカルのコンビが好きだったのに』  いろんな理由からAltairを離れたファンが街頭インタビューで残念そうに語る。  期待されていないのは分かっているが、目の当たりにすると少しキツく感じた。  (でも、やるしかない。結局僕にはこれしか残ってないんだから。)  愛希みたいに可愛いわけじゃない。  透みたいにバラエティー要員にもなれない。  翔みたいに何でもこなせないし、  セナみたいに美しくもない。  陽介や晴天みたいなリーダーシップや温かさもない。  (失うものはもうない。あとは生み出せばいい。)  腹を括ったヒカルは、宣伝のためのメディア出演も頑張った。世間の、『なんでヒカル?』『こんどは翔とコンビ?』という声も受け止めながら、精一杯求められるものをこなした。  (良かった…今日のしめは晴天さんとだ。)  ヒカルは安心して力を抜いた。翔やセナと出ると異常に緊張するのだが、晴天や陽介だとほっとした。  翔といると、翔に合わせなきゃと無理をし、セナといると、なんだかテンポが合わない。  「ヒカル、疲れてるな」  「疲れたー。あと一本だから頑張る。最後が晴天さんで良かった。」  「あっはは!さっきセナと一緒だったからだろ」  「……。」  図星で黙ってしまった。  晴天はクスクス笑ってヒカルの肩を抱く。ヒカルは厚い胸板に頭を乗せて、目を閉じた。  (落ち着く)  心臓の音を聞きながら心地よさにだんだん眠くなる。  「〜♪」  晴天の鼻歌が気持ちよくて癒されていく。だんだん歌が上手くなってきて、翔と同じくらいになった。ブレない音程に安心しきって眠りに落ちた。  「ヒカル、ヒカル。起きろー」  「んー…。」  ゆっくり目を開けると、愛しい顔がドアップで顔が真っ赤になる。  「ふは!可愛い」  「可愛くないし。スタンバイ?」  「そ!最後頑張ろうぜ!」  晴天とハイタッチしてスタジオに向かう。  やはり晴天がたくさん助けてくれて、安心したまま収録を終えた。  「ふぅー!お疲れ!帰ったら即寝だな、こりゃ。」  晴天は私服に着替えると、すぐに帰りそうになって、ヒカルは慌てて背中を掴んだ。 「どうした?」  「今日疲れた」  「そっか。お疲れさん!早く寝ろよ?」  優しい顔で頭を撫でられる。  (ちがうのに!)  不満そうな顔に、晴天は首を傾げた。そこに背伸びをしてキスをして、耳元で囁いた。  「疲れたから、一緒に寝たい」  じっと見つめると、晴天は顔を逸らして真っ赤になった。  「やっばー…。超腰にきた…」  煽られた恋人に満足して、晴天の後をトコトコとついて行く。タクシーに乗ってマンションまで行き、晴天の部屋に入った瞬間、晴天を押し倒した。  「ちょっ…ん!っ、っ、ヒカルっ、っ」  「んっ、ん、ふっ、ん」  キスしながらベルトを外していくと手首を掴まれた。  「お前の好き勝手にばっかさせないよ。今日は俺がリードする。」  「えー…」  「えーじゃない!全く!いつもお前のペースだろ?」  「いつもじゃないもん。だってもう晴天さん見てたら我慢できない」  また首筋に舌を這わすと、ンッといい声が聞こえた。  (エロいんだよね、本当に)  ゴロン!  「ぅわあっ!?」  「さぁ、ヒカル?覚悟はいいか?」  「何それー?」  クスクス笑うと悔しそうに服を脱がされる。胸の粒の周りをペロペロと舐められ、欲しいところに刺激が来ない。  (やだ…焦らさないでほしい…)  ガリっ!!  「アァ!!ーーッ!」  「これだろ?欲しいの」  「イヤ!痛いッ、ンッ!!やぁ!!んぅ!!噛まないでぇ!!」  ガリガリ、コリコリといじられ、ジワリと涙が浮かぶ。ゾクゾクして下着が濡れていく。  「はぁ!は、っ、ねっ、下も、下もして!」  「だーめ。まだこっち」  「んぅ!!やぁ!お願いっ!」 どんなにお願いしても、下は着たまま乳首だけを攻められ、ビクビクと跳ねる身体が熱い。必死に呼吸しても蓄積される快感に、泣きながら懇願すると、やっと下着ごとおろして貰えた。  窮屈なそこから勢いよく飛び出して腹を打つのが恥ずかしいが、我慢の限界にきていたヒカルは必死になって触ろうとした手をさらに抑えられて、涙が止まらない。  「やぁっ、お願っ、やだ、っ、イきたいっ、イきたいっ!」  「俺がイかせてやるから」  余裕そうに笑うのも快感になって、どうしたらいいか分からず顔を隠す。 「ヒカル」  「ッアアア!!ダメェ!!ッィアアア!!」  晴天が触れた瞬間に止まらない快感の波に襲われる。勢いよく吐き出して、ビリビリする体の熱が引くのを待つ。  「大丈夫かー?」  「はっ、はっ、っ、は、」  「どーしたー?こんなに感じて」  「は、っ、分かんないっ、今日、シタくてたまらなかった」  晴天はヒカルの前髪をかきあげておでこにキスをして、穴にそっと指を差し込む。  ぎゅっと目を閉じて違和感に耐える。晴天の逞しい腕に爪を立てて、首を反らせる。  (1本でこんな気持ちいいっ)  声が止まらなくて、理性が飛びそうになる。  グリッ!!  「アァアア!!」  「ここだろ?可愛い。気持ちいいよな」  「ッアアーーッ!!」  首を振って快感を逃そうとするも、激しいキスに抵抗が出来なくなる。どんどん指が増えて、ぐちゃぐちゃと大きな音が鳴り恥ずかしい。勢いよく指が抜かれて、熱が擦り付けられる。  (くる…っ!!)  ググッ!  「ーーっはぁ、」  「んぅ…ーーッ!!ッィアアアーーッ!」  「はっ、はっ、はっ!」  晴天の余裕のない呼吸が、ヒカルを更に高めていく。打ち込まれる快感に目の前に星が飛ぶ。 「んっンぅ!っぁあ!はっ、はぁっン!」  「ヒカルッ、ッ、ヒカルッ」  「やぁっ!もう、出ちゃ…ッ、ッ、ッァ!」 抉られるようにいいところを潰されて、たまらない快感に意識を飛ばした。  次の日の朝。ご機嫌な晴天から、ヒカルは疲れている時ほど激しくしてもらいたい体質だろうと指摘された。  昨晩の夜を思い出して勃った熱を晴天の口に解放し、止まらなくなった2人は朝から激しく求め合うことになった。

ともだちにシェアしよう!