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風邪と看病 2

「僕も薬飲みましたから、一緒に寝てもいいですか? 邪魔にならないように、離れて寝ますから……」  三上は困ったように微笑み、そのまま目を閉じた。  それを了承ととり、宮部は同じベッドへ潜り、少しの距離をあけつつ、三上の右手を握ったまま目を閉じた。  翌日、宮部が目覚めて瞼を押し上げると、目の前に白い世界が広がっていた。瞬きを繰り返し、それが三上のシャツだと理解する。更に気付けば身体は三上の両腕に拘束され、身動きがとれない程に三上の身体に密着していた。  もぞもぞと動く宮部に気付いたのか、三上の腕から力が緩む。 「宮部、おはよう」  顔を上げるとすぐそばに三上の顔があった。大好きな人がこんな至近距離にいる。不意打ち過ぎてドキドキしながらも、おはようございますと言葉を繋げた。額にキスをされ、更に強く抱きしめられる。近い。とても近い。 「み、三上さん、体調はいかがですか」  辛うじて言葉を紡ぐと、三上は柔和な笑顔で宮部を見つめた。 「熱、さがった。から、治った」 「三上さん、子供ですか? それは薬が効いているだけです」  ぴしゃりと言い切ると、三上はうっと声を漏らした。 「でも、もう苦しくない」 「だからそれは薬の効果です。今日一日大人しく寝てなきゃだめですよ」  朝食の準備をしなくては。三上さん用におかゆを作ろう。起き上がったところでふいに腕を引かれ、体勢を崩して三上の身体に覆い被さってしまった。 「三上さん?」 「もう少し、宮部とくっつきたい」  ぎゅうと抱きしめられ、まるで駄々っ子にしがみ付かれているような気分になる。三上さんが駄々っ子。なんだか可笑しくてふふと笑いが漏れてしまう。 「今日は一日、家でゆっくりしましょうね。僕も出かけずにいますから」  うんと小さく頷く三上さんも強烈に可愛い。  キスをしようとしたら、三上さんの手に拒まれた。 「風邪が移ったら、こまる」  寝てる間にこんなに抱き寄せておいてよく言うなと思いながら、ふと異物感に気付く。股間に当たる、固いもの。気付いてしまったら身体が熱くなって、ぶわっと汗が噴き出した。

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