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身悶えるほどに甘やかしたい<後編> 5

「なんだ、また泣くのか。嬉しいのか悲しいのか、どっちなんだ」  冗談のつもりで投げ掛ければ、宮部は三上の左手を両手で握りしめて「嬉しいです」と言葉を返した。 「嬉しいです、毎日大事に使います、絶対になくしません、お墓の中まで持っていきますっっ……」  ベソベソと泣きながら言うものだから、三上はため息混じりに笑いながら宮部の身体を抱き寄せ、ぎゅうと抱きしめた。抱きしめるたびに、愛しさが込み上げる。溢れても溢れても、この気持ちは尽きることがない。  これを幸せと呼ぶのだと、宮部と出会ってやっと自分も知る事が出来た。  これまで何に対しても執着のなかった自分が、宮部だけは手放したくないと、心が震える程に強く思う。そのための努力なら惜しまない。宮部と一緒に居られるなら、いくらでも。 「もう我慢しなくていいな?」  一言確認を入れてから、腰と膝裏に腕を回し、一気に抱き上げた。脱衣所であっという間に浴衣を脱がしてバスルームへ連れて行くと、宮部は何かを察したように、顔を赤らめながら三上を見上げた。 「み、三上さん、何を」 「シャワ浣」  シャワーヘッドを外しながら何でもない事のように答えると、宮部はひゃあと変な声を上げた。 「じ、じ、自分でやりますからっっ」  シャワ浣もひとりで出来るほどに成長してくれて嬉しい限りだ。いつのまに練習したのやら。  うんうんと頷きながら、まあ座れとしゃがませる。 「すぐに終わるから、俺に任せろ」 「ほ、ほんとに、恥ずかしいんで……!」 「初々しく恥ずかしがるな、お前に任せたら時間がかかりそうだから俺がやる」 「……!!」  さっきまで感動して涙まで流していたくせに、今は顔を真っ赤にしてバカだの合理主義者だのデリカシーがないだのと非難の嵐だ。忙しいやつだなとあしらいながら、この後の楽しみの為にサクサクと手を動かす。 「わかったわかった。力を抜け」 「ひゃっ、あ……」  唇に触れる程度のキスを数回重ねながら、宮部の中を洗い流す。観念した宮部は口を閉じ、震えながら行為に身を任せた。その姿も可愛いと囁けば、見ないで下さいと難しい事を言う。宮部の恥らう姿を堪能できて、三上は満足気に微笑んだ。

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