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身悶えるほどに甘やかしたい<後編> 9

 宮部の背中に右腕を回し、きつく抱き寄せ腰を打ち付ければ、更に奥まで届く。激しく水音を立てながらガツガツと堀りあげ、このまま宮部の身体を壊してしまうかもしれないと思いながらも、ピストンを繰り返した。 「お前の全部、俺のものだっ……」  息を荒げながら呟くように囁くと、宮部の腕にぎゅうと力が入る。 「あっ、んっ……泰生……んっ」  名前を呼ばれる度に熱が上昇する。もっと、何度でも、呼んでほしい。  お前は俺のものなのだと、記してほしい。 「結音、結音っ……」  宮部の名前を呼びながら膨らんだ熱の全てを放ち、くずれおちた愛しい人の身体をかき寄せて、強く抱きしめた。 ◇◇◇ 「三上さん……泰生さん、月が綺麗ですね」  温泉に浸かりながら二人で夜空を見上げる。静かな空間。  三上は宮部の背面から抱きしめて、首筋にキスをした。 「二十四歳の初セックスはどうだった」  耳元で囁くと、宮部はビクリと身体を震わせ、それからそろそろと振り返る。 「……激しすぎて、死ぬかと思いました」 「それは、気持ち良さと比例したのか」  わざとねちこく追求すると、なんですかもう、と笑いながら身体をこちらへ向けた。正面から抱きしめて、唇を重ねる。宮部の白く光る肌が綺麗で、いつまでも触れていたくなる。 「……気持ち良すぎて、死んでしまうかと思いました」  言い直す宮部の頬にキスをして、「それは困るから次回はもう少し自制する」と返した。二人で静かに笑いあったあと、三上はずっと考えていた事を口にした。 「宮部、引っ越すならどこがいい」  宮部は双眸をひらき、それから少し不安そうな表情で三上を見つめた。 「引越し、ですか。……僕も、ですか?」 「当たり前だろう、引越しなんだから」  はあと間抜けな声で呟く宮部の頬を撫でながら、言葉を続ける。

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