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身悶えるほどに甘やかしたい<前編> 14

「結音」  名前を呼ばれ手招きされたので、僕は三上さんの隣へ移動した。すると腰から引き寄せられ、三上さんの上に跨る形で座らされてしまった。正面から見つめられ、途端に顔が熱くなる。腰を更に引き寄せられて、僕の半勃ちの竿が三上さんのお腹に当たってしまう。 「お前が眼鏡を外すのは俺の前だけにしろ」 「えっ?」 「返事は」 「えっ、は、はい」  よくわからないままハイと返してしまったけれど、三上さんの頬が緩んだので、回答としては正解だったようだ。唇が重なり、三上さんの舌が口内に割り入ってくる。それを受け止めるように、おずおずと舌を絡めた。ねっとりとした動きで、上顎から歯の裏側まで念入りになぞられていく。ゾクゾクと疼きが走る。気持ちいい。唇を重ね合わせたまま、角度を変えてキスは続く。こんな時は鼻で息をするようにといわれているけれど、いまだに上手く出来なくて、すぐに苦しくなってしまう。もがくように身体をよじれば、更にきつく抱きしめられた。口の端から唾液がこぼれて、舌を動かすたびに水音がたつ。 「ん、んっ……」  ようやく唇を解放され、僕は三上さんの身体に倒れるようにもたれかかり、肩で息を繰り返した。三上さんは大きな手で僕の頭と背中を何度も撫でてくれる。幸せだ……ああでも、困った。完全に勃ってしまった。この状態を三上さんが気付かないわけがない。  身体を離して落ち着かせようとした瞬間、脇の下から身体を持ち上げられて風呂の縁に座らされた。元気に反り返ったものが大きく揺れて、パチンと腹に当たる。 「み、三上さん?」 「汚さないようにしないとな」  両手で膝を割り広げられ、三上さんの舌が僕の右腿の内側をねっとりと舐めあげた。思わず声を出しかけて、慌てて両手で自分の口を塞ぐ。  内腿の付け根までゆっくりと丁寧に舐めまわされる。三上さんの赤い舌が見えて、ぶるぶると身体が震えた。付け根から陰嚢までじっくりと舐められて、気持ちよさと恥ずかしさで気を失いたくなる。夕暮れといえどまだまだ明るく陽の差し込む時間帯だ。陽の下でこんなことを三上さんが。  陰嚢から左腿へと移動した頃、堪らず小さな声を出した。 「み、みかみさ……もう……」

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