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いつまでたっても慣れない案件 32

 三上の大きくて硬い屹立を根本までしっかりと咥えこみ、内壁から伝わる強い圧迫感が堪らなく気持ち良くて、喉から掠れた声が漏れる。結合部を何度も擦りつけられ、腰を揺さぶられて、その度に宮部の薄い身体が大きく揺れた。  腕を頭上に拘束されたまま、三上の強く激しい動きに身を任せ、自分の上に覆い被さる三上の姿を視界に映す。三上は上気した表情で自分を見下ろしながら、強く腰を打ち付ける。肌と肌がぶつかり合う音と、中を突き上げられるたびに漏れる卑猥な水音が、静かな午後の部屋に響く。  獣に襲われているような錯覚を抱く程の激しい動きに、宮部は身体を仰け反らせながらも必死に受け止め続けた。 「あっあっ、泰生さ……激し…」 「結音、結音……」 「や、あ、あ」  宮部が白濁を放っても三上は宮部の最奥を突き、腰をグラインドさせて内壁を擦り、何度も腰を打ち付けた。下半身の感覚が麻痺して力も入らない。半開きの唇から唾液を零し、目尻から涙が流れ落ちる。身体中を駆け巡る快感と同時になんともいえない恐怖感も入り混じり、声にならない声で三上の名前を呼んだ。  三上が宮部の中で熱を放つまでそれは続き、果てた後も離れずに、三上は痙攣の止まらない宮部の身体を抱きしめ続けた。  ◇◇◇  宮部が腕の拘束から解放されたのはその後で、自由になってすぐに両腕を三上の背中に回し、三上の胸にぎゅうぎゅうと頬を押し付けた。三上は再び「悪かった」と謝罪しつつ、抱き付く宮部の黒髪を撫でる。 「怒ってないなら、どうして僕は縛られたんですか……」  行為後の熱も落ち着いた頃に質問すると、三上は無言で聞き流そうとしたので、更に畳みかけて問い詰め、やっと口を開いた三上の言葉は呆れるものだった。 「軽く縛って直ぐに外すつもりだったんだ、けど縛られて恥ずかしそうに身を捩るお前が予想以上に可愛かったから、ついそのまま」 「……」 「悪かった、もうしない、多分」 「……」 「……でも、たまにはいいか……」 「しません!!」

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