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第12話
お互いを愛し合った後にベッドに座って息を吐く。そんな俺を陽和はじっと見つめてきた。
「最近頑張ってるって、ハルのお父さんから聞いたよ」
「親父と会ったのか」
「うん、でも、頑張りすぎてるんじゃないかなって」
ゆっくりと俺と同じようにベッドに座った陽和は俺の肩に頭を預けて「あのさ」と言葉を吐く。
「もうずっと、ハルは頑張りすぎだよ」
「···そんなことない」
「ううん、だって前みたいに元気ないもん」
陽和の顔を覗き込むと小さく笑って触れるだけのキスを落とされる。そんな行動に少しキュンとしてもう一度押し倒したくなるのを堪えているのに、ちゅ、ちゅ、っと何度もキスをする陽和。今だけ悪魔に見える。
「ハルは、本当にこの仕事、していたいの?」
「······今更そんなこと聞くなよ」
もう黙れ、と噛み付くようにキスをしてベッドに押し倒す。上に覆い被さると「ちゃんと、話ししたい」と言う陽和にイラついて思わず陽和の顔の真横に拳を振り落とす。
「話は終わりだ」
「っ···は、ハル」
起き上がってベッドから降り、脱ぎっぱなしの服を着てデスクに座る。一度溜息を吐いて、全く手をつけていなかった仕事に取り掛かった。
そんな俺の姿を、陽和は離れたベッドから悲しそうな顔で見ていたことなんて知らないまま。
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