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第15話

とりあえず赤石と一緒に親父のもとに報告に行く。 話をすれば眉を寄せて「すぐに連絡を取らせる」と早河を呼び出した。 赤石の姿を見て少し驚いた早河だったけれど、すぐにそんな表情を隠して親父から伝えられることに頷いた。 「では、それぞれに連絡してみます」 「頼んだ」 早河が出て行くのと一緒に赤石も出て行く。 俺は何だか疲れた気がして座っていたソファーにだらりと寝転んだ。 「何かあったのか」 「···さっき親父とお袋に言われたから陽和に連絡したんだ。それに、そのあとすぐにこれだぞ、疲れるだろ」 「···それだと陽和に対しても疲れを感じてるように聞こえるぞ」 「実際そうなんだよ」 起き上がるのが面倒くさく思えてしまって、はぁ、と息を吐くと眠気が襲ってきた。 ああそう言えば、昨日はなかなか眠れてない。 目を閉じたらもう目を開けることが億劫でこのまま寝てしまおうと体から力を抜いた。 「────起きてください」 「············」 肩をトントンと叩かれて鬱陶しくて手を払うと「若」とまた声をかけられて渋々目を開けた。 「···世那」 「はい、そろそろ夕食の時間です」 「あれ···親父は···?」 「先に広間に行かれました」 いつの間にか俺の上には毛布がかけられていて多分、親父がかけてくれたんだと思う。少しジーンと胸辺りが温かくなったような気がした。 「そう言えば、ずっと携帯が鳴ってましたけど···」 「あ···?」 テーブルの上に置いてあった携帯を見れば陽和からの着信とメッセージがたくさん来ていて面倒臭くて電源ボタンをもう一度押し画面を真っ暗に戻した。 「いいんですか?」 「···いい」 後で連絡したらいいだろう。って考えて、体を起こし伸びをする。服が少し皺になってしまったけどまあいいか。 「さっき鳥居さんが来ましたけど、若と話がしたかったみたいで寝ているのがわかると少し···えっと···」 「拗ねてたのか」 「はい」 世那からみれば鳥居は上司だから、そんな人に対して拗ねていたと言うのは···と渋っていたのを俺が言うとそれにははっきり答えた。

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