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第16話
広間に行くともうすでにここで寝泊まりしている組員達全員が集まっていたようで、悪いと思いながら親父の隣の席に腰を下ろす。
「いただきます」
それと同時に親父の声が部屋に響いて、その後に組員達の怒号にも似た挨拶が走る。
いつもながらその声がうるさい。
「眠れたか?」
「ああ、大分寝ちまった」
「お前が俺の前であんな風に寝るなんてすげえ珍しいからな」
親父がククッと笑ってそう言うから、そう言えばそうだなぁ···と昔は家族全員で川の字で寝ていたのをうっすらと思い出した。
「それで、陽和にはちゃんと連絡したのか?お前の携帯が鳴りっぱなしだったぞ。」
「面倒だから今は放ってる」
「そんな事してたら、いつか捨てられるからな」
「陽和にはそっちの方がいいのかもしんねえよ」
どうやら今、うちは変なことに巻き込まれているようだから。それにきっとこれからも、ずっとそれが続くと思うし。
「まあ、お前のそう言うことに関して俺は興味がないからな、自分の後悔しないようにやれ」
「ああ」
陽和の顔を思い出して、後でちゃんと連絡しないとな···と「はぁ」と小さく息を吐いた。
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