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第45話
「ちょ、っと···重たい!」
「重たいじゃねえよ!ヒヨコの分際であんな高級車に乗って登校してくるなんてよ!!」
俺と裕也のやり取りを遠目に見てる同じ学校の生徒たち。
俺は裕也を引き摺るように校舎の中に入って自分の受ける授業が行われる教室に向かう。
「なあ、誰だよさっきのは」
「誰でもいいでしょ」
「よくねえよ!俺ら友達だろう!?」
「友達だったら何でも話すとか、そういうの無いから。」
「無いわけねえよ!友達の中でも親友レベルだからな」
「···誰と誰が?」
「俺と、お前が」
何言ってるの、笑っちゃうよ。
言葉を無視して教室に行けばたまたま同じ講義を受けるらしい紗雪ちゃんがやってきて「何あの車!」と問い詰めてきた。
「すごいイケメン乗ってたし!ねえあの人友達!?紹介してよ!」
「············」
「すごい大人っぽかったねぇ、しかもちょっとSっぽいし!私そういう人好みなんだー!」
ハルの事を言われるのがすごく腹立つ。
もうこの講義はいいや。荷物を持って教室を出る。後ろから紗雪ちゃんが声をかけてきたけどそれを無視した。
「ちょ、陽和!待てよ!」
「ついてこないでよ」
「何そんなに怒ってんだよ!!」
俺を追いかけてきた裕也か腕を掴んできて勢いよく手を振り払うと肩をガシッと掴まれた。
「なんか変だぞお前」
「変なのはあの子達じゃないの。」
「何かあったのか?ほら、いつもみたいに笑ってみ」
「うっざ」
肩に置かれていた手を叩き落として大学内のラウンジに向かう。今度は裕也も追いかけてはこなくてラウンジの席に着きカフェオレを飲みながら教科書を開いてボーッと眺めていた。
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