50 / 211

第50話

「お前は甘い」 俺と燈人の二人で話をすることになり、初めに通された部屋に入った途端、敬語を崩した燈人がそう言って俺を強く睨んだ。 「甘い?俺が?」 「ああ、あいつらに治療をしてやる意味がわからない」 「俺の考えを理解しろなんて言ってねえだろ」 「ああ、確かにそうだ。けどあいつらを使って何かを仕掛けることくらいできたはずだ。」 確かに、そうすることもできた。 けれど流石に一般人のやつらにそんなことをするのは嫌だ。 「俺は一般人を巻き込みたくはない」 「間違えてるぞ、俺たちが巻き込むんじゃねえ、俺たちが巻き込まれてるんだよ」 「···うるせえなぁ、お前さっきから誰にものを言ってんだ」 チッ、と短く舌を打つと燈人はそれ以降、何も話さなくなって、ああもうこの空気すら腹立たしい。そんなことを思っていたら部屋のドアがうるさい音を当てて開き、そこから明るい金髪が入ってきた。 「あ!若〜!来てたんだ〜!!」 「赤石」 「うるせえぞ真守」 俺に勢いよく抱きついてきた赤石、何だかよくない空気が漂っていると察したようで「ねえねえ若!」と俺の手を掴んで「俺、陽和くんに会いたいなぁ」と笑顔で言った。 「陽和は今大学だ」 「どうせ迎えに行くんでしょ?俺も連れてってよ」 「いいけど、その前にやらないといけないことがある。一回うちに来るか?」 「行く!」 燈人は頗る機嫌が悪いようで赤石を睨んでいたけどまあいいや。 「じゃあ赤石借りるぞ」 「···はい」 心底嫌そうな顔で頷いてんじゃねえよ。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

10年間彼女がいない干物男子とツンデレ猫のラブストーリー
417リアクション
43話 / 40,750文字 / 267
2018/5/24 更新
審査員特別賞 オフィシャル作家チャレンジコンテスト 〜子育て・子持ち短編BL〜
帰宅すると三年前に別れた男が何故か部屋にいた、しかも子連れで。どういうことだ。
443リアクション
12話 / 9,984文字 / 902
2018/6/2 更新
完結
いのり
二人だけの夏夜
28リアクション
2話 / 4,278文字 / 40
2018/9/1 更新
ツンデレ先輩が鈍感ヘタレな後輩と付き合う話。
1リアクション
1話 / 5,692文字 / 20
2018/9/19 更新
男前腹黒わんこ部下×クール美人系眼鏡上司のリーマンものR18。
26リアクション
12話 / 34,474文字 / 60
2/11 更新
主人と執事、α同士の物語
15リアクション
13話 / 14,924文字 / 0
10/8 更新