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第50話

「お前は甘い」 俺と燈人の二人で話をすることになり、初めに通された部屋に入った途端、敬語を崩した燈人がそう言って俺を強く睨んだ。 「甘い?俺が?」 「ああ、あいつらに治療をしてやる意味がわからない」 「俺の考えを理解しろなんて言ってねえだろ」 「ああ、確かにそうだ。けどあいつらを使って何かを仕掛けることくらいできたはずだ。」 確かに、そうすることもできた。 けれど流石に一般人のやつらにそんなことをするのは嫌だ。 「俺は一般人を巻き込みたくはない」 「間違えてるぞ、俺たちが巻き込むんじゃねえ、俺たちが巻き込まれてるんだよ」 「···うるせえなぁ、お前さっきから誰にものを言ってんだ」 チッ、と短く舌を打つと燈人はそれ以降、何も話さなくなって、ああもうこの空気すら腹立たしい。そんなことを思っていたら部屋のドアがうるさい音を当てて開き、そこから明るい金髪が入ってきた。 「あ!若〜!来てたんだ〜!!」 「赤石」 「うるせえぞ真守」 俺に勢いよく抱きついてきた赤石、何だかよくない空気が漂っていると察したようで「ねえねえ若!」と俺の手を掴んで「俺、陽和くんに会いたいなぁ」と笑顔で言った。 「陽和は今大学だ」 「どうせ迎えに行くんでしょ?俺も連れてってよ」 「いいけど、その前にやらないといけないことがある。一回うちに来るか?」 「行く!」 燈人は頗る機嫌が悪いようで赤石を睨んでいたけどまあいいや。 「じゃあ赤石借りるぞ」 「···はい」 心底嫌そうな顔で頷いてんじゃねえよ。
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