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第51話
「燈人今日すごい機嫌悪いでしょ」
浅羽に帰る途中の車内、助手席に座った赤石がそう言って俺に話しかけてきた。
「ああ、まあ···」
「ずっと寝てないんですよ〜。それに最近俺も仕事手伝ってるからお互いに忙しくて、強制的に禁欲生活みたいな」
「そりゃあそんな中俺がお前を連れて行くって言われちゃ腹も立つだろうな」
「帰ってからが怖いけど、俺も気分転換したかったしー」
運転をする早河に「ねぇ、早河」なんて話しかけているけど「知らねえよ」と返されてクスクスと笑っていた。
「会合の準備しねえとなぁ」
「そういえば来週だっけ?」
「ああ、お前も来るのか?」
「一応はついていくけど、話し合いには参加しないよ」
浅羽について車を降り、お帰りなさいと頭を下げて言う組員達に返事を返しながら赤石と早河と3人で俺の部屋に帰る。
「そうだ···鳥居と陽和のことも解決しねえと···」
「鳥居、陽和くんに嫌がらせでもしたの?」
赤石が俺にニヤニヤと笑いながら聞いてくる。
嫌がらせ、というかこの組のことを考えてあいつなりに行動しただけだ。
「違う」
「そっかぁ、まあ陽和くんがここに居るのがしんどくなったら、いつでも俺のところに来ていいよって言っておいてよ」
「そうなる前にちゃんと解決する」
ソファーに座って溜息を吐く、隣に座った赤石が「会合の時のご飯にローストビーフ出してほしい」とかなんとか言ってくるけどそういう事は全部早河に任せてある。早河の方を指差すと俺の隣からどいてすぐに早河に「ローストビーフ!!」と叫んでいた。
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