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第57話

お風呂に入ってご飯を食べ、今日もまた大学へ。 行きたくなさすぎて「やだやだ」と言いながらハルに抱き着けば「でも一つでも単位落とせばまた一年通わないといけなくなるんだろ?」と言われて渋々行くことに。 「昨日のやつらに何か言われたらすぐ連絡してこい、俺が話してやる」 「ハルは話だけじゃすまない気がする」 「馬鹿か。俺は基本話し合いで解決したい主義の人間だ」 車に乗って、今日は命さんが大学まで送ってくれた。 「ありがとうございます」 「いや、いいですよ」 車を降りて命さんにお礼を言うと小さく笑って首を振る。 やっぱり命さんってかっこいい。ユキくんの写真も見せてもらったけど、本当お似合いだなぁと思う。 「何か?」 「あ、ごめんなさい!」 命さんの顔をずっと見てたから慌てて視線をそらす。だって、見惚れてたなんて言えないもん。 「もしかして俺に見惚れちゃってました?」 「ひっ!ごめんなさい!」 「え、ちょっと今のは冗談で言ったのに何で謝るんですか」 後部座席からのハルの視線が痛い。 「いや、あの、命さん顔が綺麗だから···」 「それは陽和さんでしょう」 「いやいや!それに、ユキくん、の写真をハルに見せてもらって、本当、お似合いだなぁって、思って···」 「ああ、ユキは本当美人ですよ」 「俺もそう思います」 命さんの表情がさっきと変わった。 とても柔らかくなった気がする、やっぱりユキくんの話をしたからだろうか。 「じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」 「はい、送ってくださってありがとうございました!」 ハルにひらひらと手を振ると「じゃあなー」と言って手を振り返してくれた。その顔は少しだけ怒っていたけれど。

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