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第60話
そうした特に何も変化のない日常を送り、ついにハルが会合に行く日になってしまった。
昨日は眠らずに散々に抱かれたけれど、3日は離れるんだし···と今日立てないことも怒れずにいる。
「ハルのお見送りしたかったんだけど」
「ここからしてくれたらいい」
「じゃあちょっとこっち来て」
ハルを手招きして呼ぶと嫌な顔もせずにベッドに寝転ぶ俺のそばにやって来て「ん?」と背中を屈めた。
「いってらっしゃいのキスしてあげる」
「そりゃあ最高の見送りだな」
ハルの首に腕を回して引き寄せキスをする。
しばらくハルに会えないってだけで胸が締め付けられるように痛いけど、仕事なんだ、仕方ない。
「っ、は···」
「いい子に待ってろよ」
「···うん」
名残惜しいけど、ハルは深呼吸をして、俺にいつも見せる顔じゃなく、上に立つ人の顔をして「じゃあ行ってくる」と小さく笑い部屋を出て行く。
待って、今のは反則。
すごくかっこよかった、顔が熱くなるのを感じて両手で頬をぎゅーっと押さえた。
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