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第68話 陽和side

ハルが行ってしまってから暇だなと天井を眺める。 この感じじゃ今日は学校に行けないし、つまらない時間を過ごすんだろうなぁ。と思っていると「陽和さんいますか」と命さんの声が聞こえてくる。 「はい!」 「入ります」 慌てて起き上がるけど体が痛くてベッドから転げ落ちてしまった。部屋に入ってきた命さんは驚いて「何してるんですか」と言う。 「いや、ちょっと…はは··」 「···あの、若もいないし、多分今日は外にも出られないでしょう?」 その言葉にああ、動けないことバレてる。と少し恥ずかしくなったけど、正直に頷いた。 「もし陽和さんが何もする事がなくて暇なら、ユキ呼びましょうか。」 「え!?ユキくん!?」 「はい。ユキも今日は暇らしいし···よかったら、ですけど」 「はい!是非!!」 「じゃあ、連れてきますんで待っててください」 うんうんと頷くと優しく笑った命さんが「何かあったら幹部室か親父のところに行ってください」と言って部屋から出て行く。 ハルのお父さんの場所はわかるけど、幹部室はわからない。また今度でもハルに教えてもらおう。 とりあえず寝起きのままだったからガクガクな足で何とか立って、服を着替えて顔を洗いに行く。部屋に戻ってベッドを綺麗に片付けてソファーに座って「んんーっ!」と伸びをした。 「あ、朝ご飯」 部屋にある冷蔵庫からヨーグルトをいただく。 昨日あれだけ散々シたから今は食欲があまりない。 テレビを見ながらチマチマとそれを食べてると足音が聞こえてきて、もしかして命さん!?と思い慌ててヨーグルトを片付けた。

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