73 / 211
第73話
ご飯を食べ終わってお金を払ってくれた命さんにお礼を言ってまた浅羽組まで帰ってきた。
命さんはすぐに違う部屋に行っちゃって、もしかしたらあそこが幹部室なのかもしれない。
ハルの部屋に行って「お腹いっぱいだねぇ」とユキくんに言うと「うん!」と言いながら眠たそうにあくびを一つ零した。
「眠たいの?ちょっと寝る?」
「んー···、ちょっとだけ···」
ソファーに腰を下ろしたユキくんはそのまま肘掛に軽く上半身を預ける。
「いいよ、全然気にしないで、ゆっくり眠って」
「···あ、ありがとう」
目を閉じて眠ったユキくん。
そっとユキくんに毛布をかけてから俺は携帯を弄る。
「···ハルはまだ忙しいかなぁ」
電話でもいいから、好きを伝えたい。
さっきユキくんに教えてもらってからハルのことを好きと思う瞬間をちょくちょく思い出してしまう。
例えば、優しく笑って俺の頰を撫でてくる時とか、エッチして俺の中に出す時に眉間に皺を寄せるのとか。だめだ、あの表情を思い出したらムラムラっとしてしまう。
「電話したいなぁ···」
今朝出て行ったばかりのハルに、もう会いたい。
ともだちにシェアしよう!