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第77話

「い、いいのかな、いいのかな···っ」 携帯を持って悩んでいた。 とりあえず、寝る前にでもメッセージを入れてみよう。 葉月さんはああ言ってたけど、もしかしたら忙しいかもしれないし···。 今はお風呂に入ることにして準備を持って風呂場に向かった。 「────返事、こない」 お風呂に入って髪も乾かし9時が過ぎた頃、電話をしたいとメッセージを送ったけれど見てもくれなくて、やっぱり忙しいよね···と肩を落とし一人で寝るには広いベッドにゴロンと寝転んだ。 枕に顔を埋めるとハルの匂いがしてキュッと胸が締め付けられるような、そんな感覚がする。 はぁ、と溜息をついて携帯を見ながら俺が寝るまでに連絡が来ますように、とお願いをする。そのままじっと待っていると携帯が震えて、画面にはハルからの電話を知らせる表示。 「ハル!」 慌てて電話に出て名前を呼べば「え、どうした···」と少しオロオロとした声が聞こえてきた。 「今は何もないの?」 「ああ、今はな。···なあ、早速なんだけど伝えなきゃいけねえことがあってさ」 「うん、何?」 「俺が帰るまで、お前は家から出るな」 「え···?」 「とにかく危険なんだ。詳しいことは親父に話してあるから親父から聞いてくれ。」 「う、うん。あの、ハルは大丈夫なの···?」 「大丈夫だ。とにかくお前が狙われる可能性がある。どこかに行きたいなら悪いけど、それは俺が帰るまで我慢してくれ。」 「俺のことは気にしないで、ちゃんとここにいるから」 「···ありがとう」 ハルが小さく笑った声が聞こえた。

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