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第78話
「今日はずっと話してたの···?」
「ああ。でも、ほとんど何も進展しなかったけどな。正直無駄な話し合いだったな」
「でも、皆で一つのことを考えて話ができたんだから、有意義な時間だったんじゃないかな」
「そうかもな」
ハルの疲れを滲ませた声。俺がその疲れをどうこうできるわけじゃないけど、今すぐ癒してあげたいと思う。
ああそうだ、ユキくんに教えてもらったこと、早く伝えないと。
「ハル、あの···」
「ん···?」
「俺、ちゃんと、待ってるから···」
「うん」
「っ、あ、あの、」
「何だよ」
一度深呼吸をしてやっぱり少し恥ずかしいけど覚悟を決めて、口を開く。
「あ、愛してるよ···っ」
「············」
何も言葉が返ってこなくて、恥ずかしさと不安で押し潰されそうになる。やっぱり伝えなきゃよかった!?
「···あー···やべぇ。···なあ、お前今一人か?周りに人いねえか?」
「う、うん」
大分間を空けてきた返事。慌てて周りの確認をしてから返事を返すと「じゃあ脱げ」って言われて思わず「は?」と声が出た。
「え、つ、疲れすぎじゃない?」
「何だよ、テレフォンセックスって知らねえのか?」
「不穏な言葉すぎてわからない」
「お前のせいでムラムラしたから自慰して喘ぎ声聞かせろ」
「直球すぎてやだ」
「じゃあなんて言えばいいんだよ」
「わかんないけど···っ、もう、わかったよ···じゃあ、えっと、ちょっと待って」
ゆっくり下に履いてた服と下着を脱いで携帯を持ち直し「脱いだよ」と言う。
「そのまま自分の触って」
「っ···本当に、するの···?」
「する。ほら、触れ」
嫌な筈なのに、ハルの声に操られるように動く手は止まらない。
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