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第81話 晴臣side
「つーわけで、まあその情報屋も忙しくてなぁ、なかなか進まねえよなぁ」
俺がそう言うと会合で集まっていた奴らの燈人以外全員が険しい顔をした。
「まあ仕方ねえよ。ここでどうこう騒いだって状況は変わらねえし」
燈人が俺をフォローしてくれる。
燈人は俺より下の立場にいるけれど、ここにいる奴らの中では上ではあるからその後は特に文句を言われることもなく、それからは仕事とは全く関係のない話をしてただつまらない時間を過ごす。
さて、この中に犯人がいたとして、今はきっと心の中でほくそ笑んでるんだろう。"俺はお前たちを欺いてこんなことしてやってるんだぜ?”とか思ってるなら見つけ次第ぶっ殺してやる。
「若、どうかしましたか?」
世那に小声でそう聞かれて初めて自分が不機嫌そうな顔をして、周りが変な空気になっているのに気付いた。
「悪い」
「何かありました?」
あったと言えばあったけど世那には何も言うつもりはない。それより正直なところ、今すぐここにいる俺の信頼してるやつら以外を拷問にでも掛けて犯人を見つけ出したい。
「───若、落ち着いて」
早河がそっと耳打ちをしてきてその言葉に頷き深呼吸をする。その頃には空気も元通りになって皆普通に会話をしていた。
陽和に会えないのと、身内に犯人がいてそれをなかなか見つけ出さないのとで、どうやらストレスが溜まってるようだ。どうやって発散したらいいのかもわからなくてただイライラするだけ。くそ、まだ二日目だぞ!?さすがに誰かを好きすぎるのも困るようだ。
「若ぁ、煙草吸います?」
「···ああ」
とりあえずこのモヤモヤから逃げたい。
燈人が眼光鋭く睨んでくるけど無視をして鳥居がくれたタバコを口に咥え火を点けた。
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