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第84話

3日目、予定した通りでいけるなら今日で帰れる。と、思ってたのにトラブルが発生した。 「木川の若頭が来ねぇ」 燈人が朝から険しい顔で俺のそばにやってくる。 その通りの隣には木川の幹部と思われる男が一人、申し訳なさそうに立っていた。 「今、探してるんですが···」 「昨日、疲れてるみたいだったし、今日はそんなに大事な話があるわけでもねえ。お前が話を聞いてそれを後で伝えてやってくれ」 「はい」 俺の対応が生温くて気に入りないらしい燈人は睨んできたけれど、そんなものは無視してとりあえず話を進める。 「まあ、情報屋は何となくの情報を掴めてはいるらしい。まだ聞いてはねえから何とも言えねえけど、今回の俺たちの取る対応は、もう自分のところに何かしに来た奴がいたら、もしそれが一般人なら情報を聞き出すだけ聞き出して、解放してやれ。そうでないならとりあえずは何もせずに俺に報告しろ」 話すことはもうなくて立ち上がると全員が立ち上がり「解散」と言えば頭を下げてからそれぞれが部屋を出て行った。 「おい」 「あ?」 けれど燈人と燈人に連れられた赤石がそばにやってきて「木川が居なくなったのは後ろめたい事があるから、とか考えねえのか」と真剣な声で言われる。 「確信がない限り、自分の中では疑うが行動は起こさねえ」 「そういうところが甘いんだよ」 世那がオドオドとしていて、それを鳥居が落ち着かせてるのが見える。赤石は燈人の後ろで何かを考えているようで険しい顔をしている。 はぁー、と態とらしく溜息を吐いた俺に部屋の空気は変わり、燈人が睨みつけてくる。 「俺のやり方に文句をつけるなら、お前はもうこの話に関わらなくていい。」 「これは文句じゃねえ、意見だ」 「それでもだ。···もういい、行くぞ」 早河達を連れて部屋を出て、やっと帰れる!と携帯を手に取り陽和にメッセージを入れる。 すぐに返ってきた返事には「待ってるよ」と書いてあって、少し心が癒された。

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