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第99話
「おい!陽和は!!」
慌てて広間に行くと陽和はいなくて、思わず怒鳴るようにそう叫ぶと「部屋にいねえのか」と親父が眉を寄せながら言う。
「居ねえ!あー、くそ···っ」
「落ち着け、とりあえず連絡してみろ」
ああそうだ、それを忘れていた。
部屋に置きっぱなしの携帯を取りに廊下を走って、目当ての携帯を引っ掴み陽和に電話をかけてみるも電話に出てくれない。
故意的にならまだしも、そうじゃないのなら何かあったんじゃないかと一気に不安感が襲ってきた。
────とりあえずだ。とりあえずは陽和の行きそうな場所を探してみよう。
まずは学校だ。
急いで身支度をし車を出そうとしたら鳥居が焦ったようにやってきて「俺が運転しますから!!」と俺を運転席から無理矢理降ろし後部席に座らせた。
「若が一人で出かけるなんて、何かあったらどうするつもりですか本当に、もう!!」
「わ、悪い」
「ふん、いいですよ。とりあえず陽和くんの学校に向かえばいいんですね」
「ああ、頼む」
そこに陽和が無事でいてくれたならいい。けどこういう行動を勝手に取られるとさすがに腹が立つし、簡単には許してやれない。
陽和の学校に着いて車を降りる。
何やら視線が刺さるけれど気にすることなくいつも俺が迎えに来た時陽和が出てきていた建物に入った。
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