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第115話

目を覚ませば体が熱くて、我慢出来ずに起き上がる。 それと同時に吐き気が襲ってきて慌てて走って部屋にある水道に顔を突っ込んだ。 胃には何も入ってなくて、胃液が溢れるだけ。 「ぅ、っ···」 口を濯いでベッドに行く気力もなしに、壁に背をあずけ座り込む。 これ、やばい。早いとこトラに診てもらっておけばよかった。 「電話···」 携帯はベッドに置きっぱなし。動くのが辛い。 どうせ寝てれば治るだろ。その思いで、床に寝転び「はぁ···」と息を吐いた。 「寒い」 けど、そんなところで寝れるはずもなく、体の痛みと寒さに起き上がり、何とかしてベッドについた頃には頭痛まで襲ってきやがって、舌打ちを零す。 急いでトラに電話をかけた。 「はーぁーい」 「トラ、死ぬ」 「あらあら、死ぬの?残念ね」 「まじ、早く来て」 「何?怪我したの?体調崩したの?」 「吐く、頭痛い」 「はいはい。今から向かうわ。組にいるわよね?」 トラに適当に返事をして電話を切る。 もう無理、限界。 怪我ならまだしも、体調不良には適わない。そっと目を閉じて、トラが来るのを待った。

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