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第133話 晴臣side
身体中が痛い。
目を開ければそこは真っ暗だった。
ただ機械音がピッピっと鳴っていて、それがまた眠気を誘う。
「ぅ···」
体を動かそうとすれば、馬鹿みたいな痛みが全身に走って無理だった。
ここは病院だということは安易にわかる。
けれどどうして自分がここに居て、こんなに体が痛いのか。その部分だけ記憶が欠けている。
何とか思い出そうとするけど、それより体の痛みが酷くて悶える事しか出来ない。
「···い、てぇ」
奥歯をぐっと噛んで耐えるけれど、ついに我慢ができなくなって、枕元にあったナースコールを押した。
すぐに駆けつけてくれた看護師さん、俺が目を覚ましたことに嬉しそうにして、医者を呼び痛み止めを打って、戻っていく。
未だに意識が朦朧としているけれど、だんだんと思い出してくる。
「···刺されたのか」
顔は見ていないし、手掛かりはあの去って行った男の後ろ姿しか無いけれど、俺に対して強い殺意を抱いていたと言うことはわかっている。
「はぁ···」
だんだんと眠たくなってきた。
目を閉じればすぐに、眠りに落ちた。
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