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第134話
次、目を覚ましたのは外が明るい時間。
また体が痛くて痛みに唸っていると病室のドアが開いた。
「···ハル、おはよ···う···?」
「···陽和」
「お、起きてる!おはよう!ハル!」
陽和の顔が見れたのは嬉しいけれど、痛みで浅い呼吸しか出てこない。
ナースコールを押して「痛い」と言えばすぐに医者が来て痛み止めを打ってくれて、いくつか質問をされた。
それから、陽和と二人きりになって沈黙が走る。
それを破ったのは陽和の方だった。
「ハル、あの···ごめんなさい」
「あ···?」
「全部、ハルに背負わせてごめんなさい。俺、ちゃんとけじめをつけれるようになる」
「···いや、別にいいよ。俺も悪かったと思ってるし。もっと別の方法があったのに、それを提案すらせずお前を離そうとした。本当、悪かった。」
素直に言葉がぼろぼろと落ちる。
俺の手を取った陽和は、泣きながら笑って何度も「ごめん」と「ありがとう」を繰り返した。
ゆっくり体を起こしてベッドに座る。
陽和が慌てたように俺を支えるけど、そんな陽和の腕を掴んで引き寄せた。
「陽和」
「な、に」
「戻ってこい」
「え···」
「自分勝手だって、わかってる。でも、やっぱり、お前がいい」
陽和を抱きしめれば、陽和の手がゆっくりと背中に回された。そこには傷があって、それに触れないように注意してくれてるみたいだけど、今はもう、痛くてもいいやって思っちまう。
「ハル、好き···っ」
「ああ。俺も愛してる」
そのタイミングで病室のドアが開いた。
入ってきたのは鳥居で、俺達を見て驚いた顔をしてから「早速イチャイチャして!」とズンズン歩いて俺のそばにやってくる。
「若はまだ寝てる!」
「鳥居」
「何ですか!」
「ありがとな。それと、心配かけて悪かった」
礼を言えば鳥居は「若のバカ!!」と叫んでは涙を流し出す。
「本当ですよ!どれだけ心配したと思ってるんですかぁ!!」
「悪かったって」
「もう!しばらく俺と陽和くんの我が儘聞いてくださいよ!」
「ああ」
ゆっくりとベッドに寝転ぶ。
少しして親父と母さんもやってきて、母さんは泣きながら俺の髪をさらさらと撫でた。
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