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第138話

「馬鹿じゃないの?帰ってきたその日くらい大人しくしてなさいよ!」 次の日、背中に血が滲んでるとかで陽和が泣き出したから、そんなに酷くはないのにトラを呼んだ。 するとすごく怒られて面倒くさい。 「本当に!もう!」 「怒んなよ」 「怒るに決まってるでしょ!こんなに刺されて、あんた死ぬかもしれなかったんだから!」 「生きてるからいいだろ」 「そういう事じゃないわよ!」 トラの怒りは、今度は陽和に飛ぶ。 陽和をキッと睨んだトラが立ち上がって陽和に詰め寄った。 「あのね!陽和くんも止めなきゃダメでしょ!」 「ご···ごめんなさい···」 「あの子はいつでも無理する子なの!何ならしばらくあの子はベッドに拘束しててもいいぐらいよ!」 「はい···」 陽和が本当に泣きそうになってる。 トラの迫力に怯えて、罪悪感を感じてるのかもしれない。 「トラ、陽和は俺を止めたよ。でも、俺が我慢出来なかっただけだ」 「···もう」 「俺は大丈夫だし、そんなに陽和を怒るな」 「わかったわよ。とりあえず治療するから···」 トラが俺の背中に触れる。 ぴりっとした痛みが走った。 「本当、酷い傷なんだから」 「···悪かったよ」 「しばらくは安静。約束して」 「ああ」 その後、トラに治療してもらい、終わった後にはさっさと帰ってしまったトラ。 「ハル、ごめんね」 「だからお前じゃなくて、俺が我慢出来なかったんだよ」 「でも···」 「痛くねえし、大丈夫」 寝転んだまま、傍にいた陽和の腕を引っ張りベッドに連れ込む。 「しばらく安静って約束したから、そうするけど、これくらいはいいよな」 「えっ、ぁ、んっ」 キスをして、舌を絡める。 ビクビクと震えてる陽和が可愛くてもっとしたくなるけど、我慢。 「はぁ···」 「勃っちゃった?」 「···酷いっ」 「怒んなよ」 モゾっと動いて勃起したそれを隠そうとする陽和。 服の上から軽く触れると「んっ」と目を閉じて我慢している。 「抜いてやろうか」 「いらないっ!」 顔を顰めた陽和にクスクスと笑みが漏れた。

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