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第140話
「ひよこ!おはよう!」
「ああうん、おはよう」
裕也はいつもこのテンションで疲れないのだろうか。俺の肩に腕を回し「昼、ラーメン食いてえ」と言った。
「なあ、あのラーメン食いに行こうぜ。ほら、ちょっと歩いたところにある···」
「裕也の奢りならいいよ」
「えー、わかった!じゃあ奢る!」
「嘘だよ。」
「え?行かねえってこと?」
「行くよ」
講義を受ける教室に行く。
「なあ、そう言えば···あの、浅羽さんとどうなったんだよ。仲直りした?」
「あ···うん。仲直りした。」
「マジで!よかった!俺ね、ずっと心配だったんだよ。ひよこ元気なかったし、浅羽さんと喧嘩したら最悪殺されるんじゃねえかとかさ!!」
「ハルは優しいから、そんなことしないよ」
「人ってわかんねえじゃん。いきなり爆発したりするから」
教科書と筆記用具を取り出した裕也。
いつも、こんなんだから忘れていたけど、裕也って本当は凄く努力家だ。
教科書も何度も見直して復習しているからか、ヨレヨレ。
「昨日寝れてないから眠い···なあ、俺が寝てたら起こして」
「えー、どうしよっかな」
「この前お前のこと起こしてやったじゃん!なんの裏切りだよ」
「嘘だよ。起こしてあげる」
教授が教室に入ってきた。
そうして授業が始まった。
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