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第146話

その後、他愛もない話をしてから俺と鳥居さんは帰ることに。命さんとユキくんに話を聞いてもらえた鳥居さんは行きとは違い楽しそうに笑顔でいる。 「命さんはユキくんの前だとすごく優しいから、あそこで話を聞いてもらうのが1番楽なんだよねぇ」 「鳥居さんは、命さんと仲がいいんですね」 「まあ、俺の人生を変えてくれた人だからね」 人生を?深く聞いていいところなのかもわからず、「そうなんだ」という言葉しか落ちない。 「ごめんね、今日は付き合ってもらっちゃって!」 「そんな!楽しかったです」 「そう?···ならよかった」 浅羽組に着いて車から降りる。 鳥居さんが「じゃあまたね」と手を振ったのに手を振り返し、ハルの部屋に向かう。 「たーだいまー」 「おかえり」 部屋に入ればハルが険しい顔をしてソファーに座っていた。 もしかして、体が痛いのかな。 「どこか痛い?」 「いや···」 「何かあったの?」 「じっとしてられなくて、でも動いちゃいけないって言うし、だからとりあえず座って出来る仕事しようと思ったのに早河に取り上げられた」 「それは···あの、ハルが我慢しなきゃいけないことだよ」 ハルの隣に腰掛けると俺にもたれ掛かったハルが「わかってる」と呟く。 「ご飯は食べた?」 「まだ。」 「お腹すいてないの?」 「ああ」 「眠たい?」 「うん」 目を閉じたハル、段々と俺にかかる体重が増えていく。 「ハル、寝るならベッド」 「···うん」 「うんじゃなくて」 「···うん」 眠ろうとするハルを何とかベッドまで運んで布団をかける。 「ひよりぃ···」 「なあに」 「·············」 「···え、うそ、寝たの?」 完全に目を閉じて安心しきった様子で眠るハルに、やっぱり体がしんどいんだろうなって思って、早く治りますようにとハルの唇にキスをした。

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