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第164話 陽和side
目を開けたら真っ暗だった。
もうとっくに夜になっていたみたい、部屋を見渡すと誰もいない。あれ、ハルは···?さっきまでの時間を思い出してまた涙が溢れてきた。
「ハル···」
俺は別に悪いことなんてしてない。
それは理解してるけど、俺がまた何かを間違ったのかと思って苦しくなる。
寝かされていたベッドから起き上がって部屋を出る。ハルは何処にいるの。廊下をウロウロ歩いても見つからなくて、その内に鳥居さんにバッタリと会った。
「あれ、陽和くん?」
「鳥居さん···」
「どうしたの?若?部屋にいない?」
「鳥居さん···俺、どうしたらいいんだろ」
「え、え、陽和くん!?泣いてるの?泣かないで、ね?落ち着いて」
情けなくも鳥居さんの前で泣いてしまう。
鳥居さんはオロオロと俺の背中を撫でてくれて「とりあえず、部屋においで」って鳥居さんの部屋に連れて行ってくれる。
「な、何か、飲む?ねえ、陽和くん···泣かないでよ···」
「ご、めんなさい···」
「ど、どうしたらいい?何か嫌なことあるの?何か助けられること、ある?」
もうこの苦しさから助けてほしい。
人を好きになることがこんなに苦しくて辛いことだったなんて知らない。
「陽和くん、わ、若のところ、行く?」
「行かないっ」
「あ、えっと、じゃあ···ああそうだ!命さんのところは?ユキくんいるし!」
「···鳥居さん」
「うん、何?」
「···連れてって、ください」
「うん!行こう!」
鳥居さんが俺の手を掴む。
一緒に外に行って、鳥居さんが出してくれた車に乗り込んだ。
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