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第191話

家に帰ってからは、陽和の膝枕で昼寝をして、起きた時にはもう外は真っ暗だった。陽和の顔を見上げると、眠っていてそっと手を伸ばし頬に触れる。 「ん···」 「あ、悪い、起こしたか」 「···ううん、いいの。おはよう、ハル」 寝起きのまだフワフワとしてる顔で笑う陽和に胸がキューッとなる。 「抱きたい」 「今から···?もう、ご飯だよ」 「じゃあ、飯食って風呂入ったら」 「うん。それなら、いいよ」 背中を屈めた陽和がキスをしてくる。 「ハル、ありがとね」 「何が?」 突然礼を言われて、何かしたっけ?と考える。そん俺をクスクスと笑った陽和。 「俺のお兄ちゃんの事も、裕也の事も、頑張ってくれてありがとう」 「···別に、お前が礼を言うような事じゃないだろ」 そう言えば陽和は首を左右に振って否定した。 「ハル、好きだよ」 「何だよ、今日はデレ期か?」 「ちょっとだけ甘えたいかなって。」 照れくさそうにそう言った陽和。 体を起こして陽和を柔く抱きしめキスをした。

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