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第196話
家に帰ってきてからもハルにベッタリとくっついているとハルが幹部の皆さんと話があるって部屋を出ていった。
俺は指輪を眺めて頬を緩ませっぱなしで、もっともっとじっくり見たいなぁと一度指から外してみる。
「あれ···?」
指輪の内側、何かが彫ってある。
何だろう、じっとその文字を見ると、とっくに止まっていた涙がまた溢れ出した。
グズグズに泣いている俺の元に帰ってきたハルは驚いて「何、どうした」と俺の隣に座る。
「これ、これ、なにぃ!」
「え···あ、それ、俺の想い」
「いつの間にこれ、してたの!」
指輪に彫られていたのは
"Always with you"の文字。
「お前も同じ気持ちでいてくれるか?」
「あ、当たり前でしょ」
ハルに抱きついてキスをすると、嬉しそうに笑って俺の背中に手を回し優しく抱きしめてくれる。
そのまま倒れ込んだハルは俺を離すことなく「はぁ···」と溜息を吐いた後に「好きだなぁ」とハルが言う。
「陽和の事、好きで好きでたまんない」
「···な、何、恥ずかしい」
「高校生の時さ、どうしたらお前が俺を好きになってくれるんだろうとか、どうしたら、付き合えるんだろうとか···そんなこと、色々考えたけど、やっぱり言葉でちゃんと伝える方が気持ちって伝わるんだよな」
「···俺と付き合う前、そんなこと考えてたの?」
「うん。だって、お前すげえ見られてたからな。あの時だけは同じ仲間でもぶん殴って俺がもらうんだって言ってやろうかと思った」
「何それ」
「だってさ、それくらい、好きだったんだよ」
ハルが俺を抱きしめながら俺の頬にちゅ、とキスをする。
ハルの高校生の頃の気持ちを知って、驚いている反面、嬉しくてたまらない。
「だから、お前が俺のものになって、本当はすごく泣きたいくらい嬉しいんだ。」
「俺も、嬉しい。ハルにこうやって大切にしてもらえるのも、俺がハルを思っていられるのも」
起き上がってハルのお腹の上に跨ってキスをする。
舌を絡ませて何度も何度も。
「っはぁ···ハル、ずっと俺の隣にいて」
「当たり前だ」
今までにないくらい幸せな時間だった。
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