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第8話

余裕がなくなってきて、誠は肩で息をする。 「んっ…はあ、やっ…もう、イク」 「一緒にいきますか」 誠の手を払い除けて、小山が二人のソレを包み込んで強くしごいていく。突然交代され、強い刺激に誠の嬌声が止まらない。 「あっ、やぁ…っ、あっ、ダメっ」 ビクっと身体を大きく揺らさし、二度めの頂点に達したとき、小山も精を吐き出した。 結局その後、小山を泊めてやった。隣で寝ている小山の顔を誠が覗き込んでいる。 (やっぱり、好みなんだよなぁ) さっきの一緒崩れた顔も、眠っている顔も。銀髪に口元のホクロ。少し長いまつ毛。 昨日初めて会ったばかりで、ここまでするなんて誠には体験したことがなかった。身体だけを求めるような関係は未体験だ。小山の挑発に乗ってしまったのが、冷静になれば恥ずかしい。 だけどこの顔から背けられなくて誠はそっと唇を重ねた。すると小山の腕が誠の身体を引き寄せた。 (う、わ) さっきまでの態度が嘘のように、優しくふんわりと誠の身体を包み込んでいた。 小山は無意識なのかそのまま寝ているようだ。ということは、いつも一緒に寝ている相手がいるのだろう。ノンケであるなら相手は女の子のはずだ。 (まあ今だけ…) そう思うことにして、誠は小山に抱き寄せられたまま眠りに落ちた。 *** 「次、いつ会えますか」 翌朝。誠の部屋を出る玄関先で靴を履きながら、小山がポツリと言った。小山の背中を見ながら、その言葉に誠がギョッとした。 「次…?」 靴から目を離して、振り向いて誠を見た。 「だって、入れてないじゃないですか。白河さんも、今日のところは無理って言ってたからじゃあ他の日があるんだなって」 その言葉に一瞬、引っかかった。 (入れるだけなら女の子でもいいだろうに) 誠は少し苛立ちをみせた。結局男だろうが、女だろうが。どこの誰だろうがいいのだろう。そもそも、昨日まで知らなかった仲だ。 無意識に優しく抱きしめてくれた腕を覚えていただけに、タチが悪い。 その気持ちが顔に出ていたのだろうか。小山は前を向き靴を履く。 「…まあ、いいですけど。白河さんが乗り気じゃないなら」 連絡してくれたらいつでも、と言葉をなげて玄関ドアを開ける。 「……」 何も言わない誠を一度だけ見て、小山はそのまま行ってしまった。

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