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第3話
「よし、罰ゲーム。百瀬、片岡に告れよ」
「ええッ!?」
何だなんだと、周囲の男子がざわめいた。
「百瀬、片岡のこと好きだったのか!?」
「ひゅ~、マジで?」
「趣味、悪いなぁ!」
休み時間はいつも一人で本を読んでいる智樹は、陰キャ扱いされていた。
しかも、成績はいいが身なりに全く無頓着なのだ。
眉を整えていないし、フレームのセンスが悪い眼鏡をかけている。
時々寝ぐせを付けたまま登校するし、制服も何だか皺が目立つ。
「ち、違うよ! 僕、片岡くんのこと好きじゃないよ!」
ふうん、と田宮は意地悪そうな声を上げた。
「じゃあ、誰が好きなんだ?」
「そ、それは……」
(知ってるくせに!)
茉以は一週間前、田宮に好きだと告白していた。
修学旅行の班を決める時に、必死で田宮と同じグループに入れるように友達に頭を下げたことも、打ち明けた。
『田宮くんと、素敵な思い出を作りたいんだ』
こんなことも、言ったっけ。
返事の代わりに、何の関係も無い片岡くんに告れ、だなんて!
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