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第9話
「よく考えれば、僕が告白したからって片岡くんがOKするとは限らないんだし」
一晩眠った茉以は、そんな考えに落ち着いていた。
あとは、どのタイミングで告白するか、だ。
「言い出しっぺの田宮くんがいる場所でないと、納得しないだろうな」
好きな人の目の前で、好きでもない人に告白する。
「何か、ヤだな……」
もそもそと朝食を摂るうちに、班の友達は田宮を始め、みんな部屋へ戻ってしまった。
一人遅れた茉以が、メンバーが待っているであろう部屋へ入ってみると……。
「話って、何だよ。百瀬くん」
「か、片岡くん!?」
そこにはなぜか、別の班であるはずの智樹がいる。
そして周囲には、田宮や班の連中がニヤニヤしながら立っている。
(そんな! まだ、心の準備が!)
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