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第11話
(まさか、片岡くんOKだなんて!)
それでも茉以の考えでは、この後に田宮が種明かしをすることになっていた。
(ポーカーの罰ゲームで仕組まれたお遊び、って田宮くんが言ってくれるよね?)
だがしかし。
「よかったな、片岡! お前みたいな陰キャにも、恋人できたぜ!」
田宮は、こんなことを言って冷やかしたのだ。
後はもう、その場の人間たちが口々にはやし立てた。
「クラス一の美少年とお付き合い、だぜ~」
「羨ましいな、おい!」
(田宮、くん……?)
茉以の望みとはまったく逆方向に、展開していく。
(ヤだ、もう。泣きそう……)
そこへ、勢いよくドアが開いた。
「お前たち、早く支度しろ!」
先生だ!
生徒たちは、あっという間に自分のバッグを抱えて部屋から出ていった。
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