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第14話
「な、キスしようぜ」
「ここで? 今?」
「みんな寝てるよ。バレっこないって」
「う、うん……」
瞼を閉じた茉以の唇に、田宮が重なってきた。
彼は茉以のリップを何度か柔らかく食み、咥内へ舌を入れてきた。
「!? ん、んむッ!」
軽い、素早いキスを想像していた茉以は、慌てた。
(誰かに、見られちゃうかもしれないのに!)
しかし田宮はお構いなしに、茉以の舌を舐めたり吸ったり。
勝手に蹂躙している。
「ん、ふぅ、う。ん、ッく」
茉以は、田宮の動きに併せることで精いっぱいだった。
「はい、終わり。百瀬、キス下手だなぁ」
(田宮くんが、巧すぎるんじゃないのかな!?)
はぁふぅと、火照った顔を冷やしていると、当の田宮はもう目を閉じて眠っている。
(田宮くん、僕が好きだから、付き合うんだよね? 好きだから、キスしたんだよね?)
頭の中は田宮でいっぱいの茉以だったが、その姿はいびつに歪み始めていた。
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