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21.桃色な木曜日の朝と憂鬱な金曜日

 はっきり言って寝不足である。  岡の家からならもう少し寝ていられると思っていた時期もありました。つい、昨日だけど。  昨日と同じぐらいの時間に起こされ、また尻穴をほぐされてずこばこ攻められた。 「締まらなく、なるか、らっ……!」  そうでなくても岡のイチモツはでかくて長いのだ。あんなのを短期間とはいえ延々受け入れていたら括約筋がイカれてしまうと思う。 「そうしたら僕が一生面倒看ますから」 「無理、だろっ!」  そう言いながらも俺の腰は揺れていて、岡のイチモツをおいしそうに頬張っている。まさにスキモノだ。 「あっ、あっ、あーーーっ!」  全然俺自身に触れられていないのにイッてしまった。だがこの甘い責め苦は岡がイくまで続くのだった。  出る際に昨日岡の家に置いといたバッグを持つと、岡は切なそうな顔をした。 「?」  岡が後ろから抱き着いてくる。 「本当はずっとここで、一緒に暮らしてほしいです」 「な、何言ってんだよ」  そんなプロポーズめいたことを言っても、岡は俺に「好き」だとは言わない。岡はイチモツがでかくてなかなか受け入れてくれる人がいないと言っていた。でも俺なら思いっきり犯してもよがって喘ぐだけだ。だから都合がいいんだろう。実際岡も性欲強そうだし。  会社の最寄り駅のコインロッカーにバッグを預けて出勤した。今日も同伴出勤だが元々同じ路線を使っている為偶然会ったという形はとれる。シャツは火曜日と同じだが、気づいたとしても二晩続けて嬉し恥ずかしなお泊りとは誰も思わないだろう。  自分の席に着き準備をしていると、視線を感じて顔を上げた。辺りを見回すとどこかで見たような地味な女子社員が立っているのが見えた。なんだか俺を睨んでいるように見える。 (あれは……もしかして岡の同期の? まさか、な……)  俺と岡の関係に気づくなんて現実ではありえないだろうと、俺は仕事の準備に戻った。  今日も尻穴はじんじんしている。思い出したら勃ちそうなのでそんな時は「色即是空、空即是色~」となんとなく般若心経を唱える。意味は全くわからないが、確か西遊記に出てくる三蔵法師がインドから持ち帰ってきた経典を訳したとかなんとか。そんなことを考えている間にどうにかおさまった。男ってのはわかりやすいのが難点だ。  その日の夜はジムに向かい一時間ほど汗を流してから帰った。ジムには岡も一緒に行き、夕飯も食べた。付き合い始めの高校生かよ! と帰宅してから頭を抱えた。  それもこれも岡がすごく自然に誘ってくるのが悪い。だって一緒にいたいじゃん。Hしなくても一緒にいたいじゃん!  おなかの中はいつも通りキレイにしたが、さすがにアナニーはしなかった。ホント開きっぱなしになったら怖い。 「嬉しくなるようなことばっかり言うよな……」  ベッドに倒れ、呟く。絶対岡はだと思う。俺なんかを喜ばせてどうするんだろう。  そんなことを考えている間に眠ってしまった。  翌日は金曜日。  よく考えたら社員旅行の顛末を親友に話さなければいけない。何食いに行こうかななんてのん気に考えている場合ではなかった。 「は、腹が痛くなったことにでもするかな……」  睡眠薬の時はアイツも意外とノリがよくて、相手についてはそれほど詮索されなかったがさすがに今回はバレそうな気がする。そう思っただけで本当に腹が痛くなってきた。しかし俺の思考回路は読まれやすいのか、 ”逃げるなよ。具合が悪いとか言うなら家まで押しかけるからな!”  というLINEが入ってきた。親友は俺の家に来るという手が使えるのだった。  絶体絶命である。  さすがに週末ということもあり定時で上がることはできなかった。一時間遅れで一階に下りたら、受付の前で安田が待っていた。 「よう。飯食いに行くぞ」 「ああ……」  売られていく子牛の気分ってこんな感じなのだろうか。

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