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睡眠薬はどうなった?
「そういえば、あの睡眠薬ってどうしたんですか?」
岡に聞かれて俺はやっと例の睡眠薬の存在を思いだした。
「んー、あれ以来使ってないなぁ……」
俺は首を傾げた。
年末、ところは岡の家。安田ももう冬休みに入ったらしく岡の家に入り浸っている。ただ年明けすぐぐらいに一度出勤しないといけないらしい。業種が違うといろいろあるのだろう。
「さすがにあんなに効き目が強いもの、あっちゃまずいと思うんですよね」
「あるとしたらうちに置きっぱなしだな」
「ネットで入手したんでしたっけ?」
「うん」
「じゃあそのサイトも含めて確認しに行きましょう」
「えええ?」
岡は非常にフットワークが軽かった。
対する俺と安田はしぶしぶという体で俺の家に向かった。
多分ここにしまったはず、というところを探したらすぐに見つかった。
「これで全部ですか?」
「うん。あ、でも一包安田にあげたよな」
「あ、ああ……」
何故か安田の目が泳いでいる。誰かに使ってしまったのだろうか。
「もしかして、誰かに使ったのか?」
「いや、使ってねえよ。財布に入れといた……」
「出してくださいね?」
岡ににっこりと笑まれ、安田は仕方なくという体で包みを出した。岡の目が笑っていないのがとても怖い。
「サイトも確認させてください」
「うん」
PCを立ち上げてブクマを漁る。
「……あれ?」
404 Not Found
「ページが見つからないって出てますね」
「消えたのかな?」
どうやってあのサイトを見つけたのか思い出しながらいろいろ検索はしてみたものの、結局見つからなかった。
「効き目が強いものでしたから摘発されたのかもしれませんね。やっぱり処分しましょう」
「そうだな」
その方がよさそうだと俺も思う。岡が責任を持って処理してくれるというので全部渡した。
「そういえば安田さんはどうしてもらったんですか?」
表情はにこやかなのに目がやっぱり笑っていない。
「え? ああ、うん……すっげえ効き目いいから、その……」
そして安田の目があっちこっちに泳いでいる。
「安田さん?」
「……智 に使おうかと」
「えええ?」
なんで俺。
その流れで、俺が睡眠薬の効き目を試す為安田に確認してもらったことを話してしまった。すると、安田ががばり、といきなり頭を下げた。
「すまん、智! 実は、お前が寝てから本当に効き目があるのかどうかと思って、お前のメス穴をいじっていたんだ!」
「えええええ?」
「……そんなことだろうと思っていましたよ?」
衝撃である。
寝ている間に尻穴をいじられていたなんて全然気づかなかった。あの睡眠薬本当にすごい。
「安田さん、どこまでしたんですか?」
岡が追求する。
「えっと……最初は指を三本まで入れた」
「えええ?」
「最初ってことは一回だけじゃなかったんですか?」
「嗅がせるタイプも試したから……かな……」
俺は消え入りそうな声で告げた。岡の目が更に鋭くなった。
「あの時は……ディルドも使った」
「えええええ?」
ディルドなんてどこから持ってきたんだ。
「智の持ち物から漁った。まさかあんなものが出てくるとは思わなかった。でもまさかアナニーしてるとまでは思わなかったな……」
「ま、まぁそうだよな……」
安田の呟きに俺は地味にダメージを受けた。確かにプレイの一環でディルドを使うヤツもいるだろう。
「寝ている間に先輩のメス穴を広げていたわけですね? さすがにこれは安田さんに”お仕置き”しないといけませんよね?」
なんだか岡がとても楽しそうだ。
「安田にお仕置き?」
「ええ。だって知らないうちにメス穴をぐぽぐぽされてたんですよ? どうかと思いませんか?」
「んー……それを言ったら俺もお前のことヤろうとしてたしなー……」
今考えるととんでもないことだ。安田のことはとても責められない。
「まぁそうですね」
岡はあっさり納得した。
「でもお咎めなしってのもだめだと思います」
それは確かに。俺は首を傾げた。安田は少し困ったような顔で俺たちを窺っている。
「でもお仕置きっつったって……」
「そうですね。こういうのはどうですか?」
岡が何やら思いついたようだった。
「今夜安田さんは先輩の命令通りに先輩を抱くっていうのはどうでしょう? 先輩がだめとかいやとか言ったら止めるんです」
「おお……それはいいかも」
安田は俺がイッてからも気にしないでがんがんに抉ってくるし。気持ちよすぎてつらいから落ち着くまで動かないでほしいんだよな。
安田は情けなさそうな顔をした。
「じゃあそうしましょう」
やけに岡が嬉しそうなのが気になったが、俺にはそれがとてもいい案のように思われた。
だが実際は……。
「んっ、もういいからっ! 安田、もっと! もっと奥までしてっ! いつも通りでいいからぁっ!」
「もうやだもだめも聞かなくていいのか?」
「聞かなくていいッ! してッ! もっとぉ……」
「あー、もう智サイコーだっ!!」
結局俺は、いつも通り安田にがんがん尻穴を掘られて感じまくることになったのだった。
おしまい。
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