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サビシイ 6

『香取、具合悪いの?』 「い、いや、あ、ゴ……ゴキブリ踏んだっ!」  咄嗟についた嘘が我ながら酷すぎて、待て他に無かったかと後悔した直後、 『うげマジで!? 生足? 早く洗って来たほうがいいよ!』  青木は純粋な子だった。  さっきはむかついてごめんなと心の中で謝罪する。 「ああ、そうするわ……じゃあな」  受話器を耳から放そうとした時、待ったの声が上がった。 『待って待って、聞きたいことあったんだー!』 「何だよ」  ハルは面白がっているのか、執拗に耳を攻めてくる。頼む、早く切らせてくれ。 『明日のゴミ当番、俺だったか忘れちゃってさ。金曜誰がやってたか覚えてる?』  知るか!  といいかけた瞬間、耳元に息を吹きかけられ、思わずぎゃあと声をあげてしまった。 『香取大丈夫? 悪いから切るね、んじゃまた明日会社でねー』  どーでもいい。  ハル、マジ許さねー!

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