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サビシイ 7
青木との電話を切り、スマートフォンを放り投げた俺はハルの腕を思いきり掴み上げた。
「てめ、この、は、な、せっ!!」
「何、今のお猿」
うわ青木、人ですらない。
「同期の営業、マンション仲間! アホ木だったから助かったものの、職場仲間にヨガリ聞かれるとかふざけんなっ!」
「何聞かせてんの。聞いていいのは俺だけなのに」
お、ま、え、の、せいだろがー!
「俺のベッドの上で俺以外の人間といちゃつくなんてどうかしてる。大罪だよ?」
あれがイチャつきに聞こえるお前の耳がどうかしてるわ。
「あほらし。すげー冷める。面倒くせぇし帰るわ」
ハルの身体を押し退け、起き上がる。
せっかくの日曜だっていうのに、くだらねー喧嘩するくらいなら家でゆっくり寝たほうがいい。
ハルに背を向けベッドから降りようとした瞬間、一気に腰を引き上げられ無惨にも頭から倒れ込んだ。
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