15 / 428
サビシイ 10
あっという間にぶちまけた俺、情けない。
泣きたい。
ハルの指が悪い。
俺の総てを知り尽くした、ハルの……。
「省吾……好きだ」
その声は本当に愛しく……優しく、響いた。
ハルはぐったり倒れ込んだ俺の身体を仰向けにして、汚れた身体を優しく拭き取っていく。
いつもこうだ。
この優しさは、初めての時から変わらない。
ずっと……。
そして頬を寄せ唇を重ねる。
吸い付くような、甘いキス。
「省吾……好きって、言え」
そう言うとハルは俺の言葉を待つように、黙って俺を見つめた。
ハル。
俺だって……好きだよ。
言葉の出ない俺の唇をこじ開けて、ハルの舌が入ってくる。俺がそれに絡み付き吸い上げると、ハルもまた同じように舌を絡めた。
「んっ……」
「省吾、俺だけを見て」
他なんか、見てねーよ。
お前しか。
ともだちにシェアしよう!