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サビシイ 15
「俺と暮らすよりあんなお猿達と暮らすほうが幸せだっていうのかー!」
お猿。
青木の事だろうか。
「幸せかどうかは置いといて、楽……」
「だめだ、いつかボス猿に食われる」
「勝手にキャラ増やすなよ。そもそも皆、男には興味ねーからマジで安心してくれ。聞いてる方が恥ずかしーわ」
「何言ってるんだ、そういうのが逆に危険なんだ。俺を見ろ!」
ああ、そうでした。
和ますつもりが、逆に火をつけたっぽい。
「わかった、言い方間違えた。俺がお前以外、興味ねーから安心してくれ」
半ば投げやりなこの回答で、少し機嫌が良くなったらしい。
両手を広げて俺に抱き着き、頬をこすりつけるハル。犬だ。大型犬。
こうしてりゃ可愛いもんだけど、突然悪魔になるからなこいつ。
油断すると危険だ。
(まいっけど……)
俺はハルの背中に腕をまわし、きゅうと抱きしめた。
ハルとの生活が嫌なわけじゃない。
これ以上ハルの独占欲に縛られる事が、こわい。
縛られる度に、ハルに溺れていく自分がわかる。
これ以上は。
俺はハルを抱きしめながら、ハルに気付かれないように小さくため息をつき、目を閉じた。
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