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ハグとキス 7

◇◇◇  結局、泣き止まない京香を放るわけにもいかず、落ち着かせる為にホテルにチェックインした。勿論やる気は全くなかった。はずだ。  ドアに鍵をかけた瞬間、京香にぎゅうと抱き着かれ、女特有の柔らかさに軽く驚く。久々の感触だなと妙に感心したところで再びハルの顔が浮かび上がり、罪悪感がよぎった。まずい。選択を間違えた。 「京……」 「省吾、会いたかった、会いたかった……私、ずっと後悔してた」  俺のシャツに頬を寄せる京香を見下ろすと、ふわりと甘い香りが鼻をかすめた。忘れかけていた香りが甦る。  京香の体温を感じながら、昔の自分を思い出す。  ああ、俺は。  あの時、そう。  ……悲しかったんだ。

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