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これから 10

◇◇  ベッドの中でまるで卵を抱えるように、優しく俺を抱きしめるハル。  目を閉じたまま、俺の髪を撫でている。  眠いんだったら寝てくれ。  ていうかこの体勢、俺が寝れないったらない。  そぉっと身体を動かし腕から逃れようとしたところで、逆に強く抱きしめ、いや締め付けられた。地味に痛い。 「……ハル、寝れねぇんだけど」  半分目を開いたハルはほんの少しだけ微笑むとまた目を閉じ、ゴメンと呟き腕を緩めた。 「金曜日に来てくれるなんて思ってなかったから……嬉しくて」  今にも眠りに落ちそうなか細い声で呟かれた言葉。  俺は堪らなくなってハルの鎖骨に唇を当て、ゴメンと呟いた。 「……何で謝るの」 「……わかんね」 「……何が」  ハルの腕に力が入り見上げると、眠そうな目を半分開き少し不機嫌そうな表情で俺を見つめていた。 「省吾、どうした」 「……なんか、振り回してばっかじゃねーか」 「んん?」 「お前は俺に、職場の愚痴とか……不満を言わないだろ」 「言う必要ないし、省吾も言わないだろ」 「……そうだっけ」 「そうだよ」

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