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会いたいと願う気持ち 49

 流石にビビって身体が震えたけれど、舌を絡めとられて息が止まりそうになったけれど、ハルの気持ちが伝わってきて、真っ直ぐに突き抜けてくるものだから、俺は逃げ腰になりながらも、それらを必死で、受け止めた。  唇が離れて、固く瞑っていた両目をおそるおそる開くと、きゅっと眉を寄せたハルが俺をじっと見つめていた。 「キスしても……怒らない?」 「……してから聞くな」 「嫌じゃない?」 「……わかんね……けど」  あの夜とは違う。  今日会ったらこうなるんじゃないかって、多少なりとも想像していた。それを承知の上で、ハルが来るのを止めなかった。なかった事にするのも、気付かない振りをするのも、もう終わりにする。  俺は俺なりに、ハルの気持ちと自分の気持ちに、逃げずに向き合うと決めたんだ。  思っている事を上手く口に出せず、言葉に詰まる俺に苛ついたのか、待ってられなかったのか、再び口を塞がれた。左頬に添えられていたハルの右手は俺の髪を梳くように撫でながら、後頭部へとまわされる。唇が触れるだけのキスから、唇を甘噛みされ、食むようなキスへと変わり、角度を変えながら、何度も繰り返される。 「んっ……ハ、ル……」 「わからなくても、いい……今は、まだ」  上唇から下唇、広角へと流れるように舐められて、唇が重なり、また離れる。 「でも、許してくれるなら、こうしていたい」 「……勝手に、決めんな……」 「ごめん、でも、もう離せないよ……だから」  祈るような表情のハルに見つめられて、身体が震えた。声が出ない。怖くないと言ったら嘘になる。だってこんな感情はわからない。友達で、男で、そんな相手にこんな気持ちになった事なんて、今まで一度もなかったんだから、二の足だって踏む。  ハルは言葉を切ると目を伏せた。俺も何も言えずにいると、再び視線を上げ、ゆっくりと静かな声で、言葉を続けた。 「俺を、受け入れてほしい、少しずつでも」  胸が痛くて、泣きたくなった。

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