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冬の夜をきみと~メリー・クリスマス~ 3
◇◇◇
「まっ……待て!」
必死で抵抗する省吾も可愛いなと思いながら、その口を塞ぐ。
「んんっ……」
引越しに合わせて買い直したベッドはセミダブルで、男ふたりで眠るには少々手狭い。ダブルにするべきだったと何度後悔したことか。
次回購入する際には、省吾と眠る事を考慮して、クイーンサイズかキングサイズを検討しよう……などと思いあぐねながら、ローションをたっぷりと塗りこめた省吾の孔に指の腹を当て、ゆっくりと解していく。
「ま、待てって、ほんとに、ちょっとまてっ」
裸で組み敷かれた状態で、何を待てと言うのか。耳まで真赤になっている省吾は本当に可愛い。唇に触れるだけのキスを三度重ね、不安げに揺れる大きな瞳を真っ直ぐに見つめた。
「大丈夫、俺を信用して」
「か、簡単に言うな! 俺はこんなの、……は、初めてなんだぞ! 心の準備ってもんが」
初めて、という言葉だけで達してしまいそうだ。省吾の「初めて」。
駄目だ、頭に血がのぼる。
「わかった、省吾が心の準備をしている間、俺は省吾の身体の準備に専念するからね、安心して」
「っ……! その笑顔やめろ!」
酷いな。
何を言っても喚く省吾の言葉を緩く聞き流しながら、まだ柔らかい省吾の息子を左手で愛撫しつつ、右の指腹で、まだ誰にも触れられた事のない綺麗な尻孔の開発に勤しむ。
省吾の「初めて」が、俺の手の中にある。傷ひとつつける事のないように、念入りにケアしなければ。そう考えれば胸が高鳴り、触れる指先が震えてしまう。
顔の上で両腕をクロスさせ、ぎゅっと両目を瞑る省吾が初々しくて、たまらない。
「やっ、ばか、両方さわんな……」
言葉とは裏腹に、省吾の息遣いが変化していく様子をしっかりと確認する。やがて悪態も聞こえなくなり、指を動かす水音と、省吾の息遣いだけが静かな部屋に響いた。
口元を押さえている省吾の両手をゆっくりと剥がし、わずかに開いた口元に舌先を滑り込ませた。歯列をなぞり、省吾の舌を絡め取る。熱い口内を貪れば、まだ解しきれていない菊門がキュウと俺の指を締め付けた。
唇を離して省吾の顔を覗きこむと、泣きそうな顔で見つめ返された。そんな顔をしないでほしい。痛い思いをさせないように、ローションを塗り足しながら、優しくゆっくりと解していく。
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